【スタッフブログ】土中環境から学ぶ自然の本質③~菌糸のネットワーク | ナチュラル・ハーモニー
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宅配より

宅配より

【スタッフブログ】土中環境から学ぶ自然の本質③~菌糸のネットワーク

2021.04.10

みなさん、こんにちは。
ナチュラル・ハーモニー総務・経理担当の村瀬です。

皆さまから大変ご好評をいただいている(笑)NPO法人地球守のワークショップ
についての記事は今回が最終回!
是非これまでの記事と共に最後まで読んでいただけると嬉しいです。
第一回:https://naturalharmony.co.jp/takuhaiblog-making-takuminowaza/
第二回:https://naturalharmony.co.jp/takuhaiblog-making-takuminowaza2/

というわけで最後は、団粒構造の土づくりに欠かせない「菌糸」の
土中でのはたらきについて詳しく見ていきたいと思います。

菌糸(群)とは簡単に言うと細菌の集合体のことで、健康な植物の根の
先端部分に着生し、落ち葉などあらゆる有機物を土に還していきます。
その菌糸のはたらきにより、土は多孔質な
「温かい・やわらかい・水はけ水持ちがいい」状態になるのです。


(高田宏臣『土中環境』建築資料研究社、2020年)

● 通気浸透水脈

ではどのようにして菌糸が良質な土づくりをするのでしょうか。
健康な森林では土中に水脈が形成されており、水が滞りなく
動くことができます。


(高田宏臣『土中環境』建築資料研究社、2020年)

そこでは水だけでなく、水に押し出されるように空気も動いています。
この水脈を「通気浸透水脈」(高田宏臣氏による造語)といい、土壌の
表層では毛細血管のように張り巡らされていますが、徐々に集約されて
太いラインになっていくことで土壌深部まで浸透していきます。
通気浸透水脈 は大地が呼吸している状態に保つために必要不可欠な
大地の血管であり、健全な土壌環境になるための、いのちの循環の源です。

この通気浸透水脈を形成するために不可欠なのが「菌糸」と「根」です。
菌糸が土中の水脈ライン沿いに集中して伸張することで、空隙がうまれます。
そこに木々の根が侵入することで空気や水を土中深くまで動かしていきます。
空気と水が土中深くまで流れることで、深部にある母岩がゆっくりと溶けて、
生命活動に不可欠なミネラルを放出します。ミネラルは通気浸透水脈を
通して上部へと運ばれ、土壌表層部に集中する土壌生命活動を支えるのです。

この一連の動きにより、土壌表層部に菌糸や根が最も充実している
「腐食層」がつくられます。
腐食層は雨粒による地表への打撃を遮り、表土の流出・崩壊を防ぎ、
土中に円滑に水を浸透させて貯水し、菌糸や微生物のフィルターを
通して水を浄化、活性化し、土中の生き物環境を健康で豊かに養います。
外界の変化から内部を守る「大地の皮膚」となるのです。


(高田宏臣『土中環境』建築資料研究社、2020年)

しかし、そんな土中の水脈環境が人間によって脅かされてもいます。
現在、日本全国で広範囲に見られる高木枯れ(松枯れ・ナラ枯れなど)は、
病気や虫、または温暖化が原因とも言われていますが、真の原因は、
土中環境悪化により腐食層が健全に育っていないことにあるようです。
道路やダム、トンネルなどさまざまな建造物が建設され続けた結果、
通気浸透水脈が分断され、水害・土砂崩壊といった災害が急増している
要因になっているとのことです。どのような仕組みで土ができ、木々が
育つのか、今一度学び直す必要があるのではないでしょうか。

●菌糸のネットワーク

菌糸の役割はそれだけではありません。菌糸は土壌の団粒構造や
通気浸透水脈を保つだけでなく、木と木の間での情報や物質の交換を
するための役割も担っています。
落ち葉層を分解することで成長し、土中に菌糸が張り巡らされるようになると、
ネットワークを形成するかのように草木の根をつなげていくのです。


(高田宏臣『土中環境』建築資料研究社、2020年)

菌糸のネットワークを介して木々が会話をするかのようにお互いに
情報や物質を交換をしていることは、森林での実験で確かめられています。
https://www.epochtimes.jp/p/2016/08/26006.html

この実験で、マザーツリーと呼ばれる森の中のひときわ立派な巨木は、
他の木々や森の状態を把握して森全体を育てており、そのための情報や
物質を伝達しているのは土中の菌糸のネットワークだということが
分かりました。
しかも土中の菌糸は、木々の養分や情報の交換を担うだけでなく、
動植物の遺骸を分解して土へ還し、そのいのちを他の生きるべき木々に
移行する、いわば「いのちをリレーする」役割をも担っているのです!


(高田宏臣『土中環境』建築資料研究社、2020年)

生きている木には菌糸は根の先端に留まりますが、枯木に対しては中に
まで入り込み有機物を分解します。結果、枯木の内部はしっとりとした
スポンジ状になり、そこから伝い落ちた水はたくさんの養分を含んで
大地に落ち、菌糸のネットワークを介して、他の生きるべき木々へと
受け渡されていくのです。

●土中環境から学ぶ自然の本質とは

森の中で、ここまですべてのものがそれぞれの意思のもとに繋がり、
しかも菌糸という通常では意識しないものが生死の循環の仲立ちを
しているとは思いも寄りませんでした。

高田さんがおっしゃっていた
「現代の科学で正しいとされていることは、数十年程度しか歴史的検証
を受けていないものが多い。一方、生命力豊かに続く森の育てかたや、
家の建てかたなどの伝統的工法は数百年どころか、千年をも超える
歴史的検証を受けて続いている。これを疎かにするのではなく
学び直すとき。」
という言葉は、森全体における生死の循環という壮大なドラマを
近視眼的な行為で邪魔するのではなく、森の意思による行為を認識して
手助けすることが本来すべき造作であり、連綿と受け継がれてきた
伝統的作法にはその真髄があるということなのだと感じました。

「土中環境」(高田宏臣著)を学べば学ぶほど、当社が要にしている
「自然栽培」と多くの共通点があるのがわかります。
当社でわたしたちの信条(クレド)として考えかたや行動の拠り所とし、
当社が事務局を務める自然栽培全国普及会でも提唱している
「自然尊重・自然規範・自然順応」という概念は、「土中環境」という
異なる面から見ても納得のいく本質的なものだと、改めて感慨深く感じます。

参考文献、引用写真・図
〇 高田宏臣『土中環境』建築資料研究社、2020年

ナチュラル・ハーモニー 村瀬 義徳

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