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ナチュラル・ハーモニーのこと

農業

「自然栽培」のほかの栽培法との違いと、肥料・農薬がなくても育つ理由

2024.04.25

 

 

「自然栽培」とほかの栽培法の違い

 

違いは「肥料」と「農薬」の使用

 

■慣行栽培・有機栽培・自然栽培の違い

※自然栽培においては、土づくりのためその田畑で生育した植物残渣のすき込みをする場合があります。

 

私たち農業を「肥料・農薬使用」の観点から、大きく3つの栽培法に分けています。

まずは日本の農業の大半を占める「慣行栽培」。工場などで化学的に生産された即効性のある化学肥料や農薬を使う一般的な栽培法です。

続いて「有機栽培」は、化学合成の肥料や農薬を使用しない栽培法です。肥料は動物性(動物の糞尿など)や植物性(米糠や油粕など)の有機質肥料、農薬は農林水産省が策定した有機JAS規格によって許可されたものの使用が認められています。

そして「自然栽培」は、農薬・肥料をいっさい使用しない、これまでの常識を覆す新しい栽培法です。

 

 

オーガニックと「自然栽培」の違い

オーガニックとは「有機」と同義で、有機JAS規格を前提とし、化学肥料などに頼らずに自然の力(有機肥料)を生かして生産された農法(有機栽培)や加工法のことを指します。

有機栽培は、生産者によって使用する肥料・農薬の種類や頻度の幅が大きく、有機栽培の中でも自然栽培に近い場合や慣行栽培に近い場合など栽培環境が様々。また、有機JASマークの付いた作物は肥料・農薬の有無についての記載義務がないため、どのようなものがどれくらいの量を使われているのか、消費者からは判断ができない仕組みです。

ナチュラル・ハーモニーが定義する自然栽培は、肥料・農薬を使いません。もともとその場にない何かを加えることはせずに、大地と植物の力でじっくりと生長するよう促します。

ただし、自然栽培は公的な認証制度が無く、その定義は生産者によっても見解が異なるため、名称が混同しているのが実情です。そのためナチュラル・ハーモニーでは、育苗から栽培まで細かく調査し、「自然栽培」と認定できると確認した農産物を流通・販売しています。

 

 

肥料・農薬がなくても「自然栽培」が育つ理由

 

自然のサイクルを尊重すれば作物は育つ

一体なぜ、肥料も農薬も使わない自然栽培でも作物ができるのでしょうか。実はそれはとても当たり前のことで、まわりを見渡せば、野山や道端の植物たちは、季節に順応して芽吹き、花を咲かせ、種を残すといった「自然のサイクル」があります。それが本来、植物に備わっている「いのち」であり、肥料や農薬が無くても育つそもそもの姿です。

では、人の手が入る「農地」では肥料や農薬を使うのはなぜでしょう。それは、農地の土が植物本来の力を発揮できない場になっているからだと考えられています。自然界と農地の違いは、「虫や病気の存在」です。自然界で、虫に食われて植物が全滅したり、病気に侵され腐敗している姿を見ることはあまりありません。一方農地ではその現象は当たり前。農薬を使わなければ作物は病虫害により跡形もなくなり、収穫することができません。ではどうして農地では病虫害が発生するのか。それは「肥料」に原因があると自然栽培農家さんは教えてくれます。

肥料とは、基本的に「生長促進」・「収穫量拡大」を目的に使用されています。一般的には、外部から栄養を追加しなければ作物は育たないというのが常識ですが、自然栽培は肥料により「自然のサイクル」が妨げられ、調和が乱れてしまうことで虫や病気が発生するという発想です。

実際、長い間肥料が使われてきた農地では、肥料の存在によって植物が自ら根を伸ばす必要がなくなり、植物本来の力を発揮できなくなります。一方自然栽培の畑では、初めに取り込まれた肥料分を取り去るために肥料の吸収力が強い作物を植え、根をしっかり伸ばすことができる環境や条件を整えます。そうすることで「自然のサイクル」がよみがえるため、病虫害も起こらず、農薬も必要なくなります。

また、栽培の前提として、農地の土と作物の性質が適合しているかどうかも重要なポイント。不適合な土地では、肥料・農薬なしでは作物は実りません。本来植物はしっかり大地に根を張って自らの力で育つもの。人の都合に植物を合わせるのではなく、自然のリズムに人間が合わせることが、これからの農業のあゆむ道と、自然栽培農家さんは語ります。

 

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