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スタッフコラム

おふくろ男子(井上智晃)暮らしのこと

僕の手づくり歳時記「おせち料理」 ~重箱の中につまっているのは…~

2020.01.1

皆さま、新年あけましておめでとうございます!!
旧年中は格別の御厚情を賜り、厚く御礼を申し上げます。
本年も更に多くの方に食の大切さ、発酵の楽しさを伝えるべく尽力いたしますので変わらずご愛顧を賜わりますようよろしくお願い申し上げます。

…と、新年のご挨拶も済んだところで…
おふくろ男子こと井上 智晃です。

皆さまは今頃、美味しいおせち料理を召し上がってお腹も満たされたのでゴロゴロしている頃合いかと思いますが、このおせち料理にも発酵食品がたくさん使われていますよね。

お醤油・お味噌・みりん・お酒・お酢・甘酒・鰹節(枯節)…実に様々な発酵調味料が使われてまして、四角いお重の中に日本の食がギュッと詰まっている!…と思いながら毎年蓋を開ける瞬間のワクワク具合がたまりません^^ ←自作なのでどんな中身か知ってはいますが(笑)

とはいえ、子供のころはおせちに興味もなく、伊達巻・きんとん・かまぼこ・コハダを集中的に食べていました。
それが、大人になるにつれ、重箱に詰められた色とりどりの美しさや、一つ一つの料理に込められた思い、和の食材の饗宴に心奪われ、そして自分で作るようになるという子供のころの自分から見たら驚くべき事が起こっている事実(笑)
せっかくのお正月の挨拶なので、今回はおせち料理についてお話ししたいと思います。

そもそも、「おせち」は「御節供(おせちく)」(節日に供える「供御(天皇・皇族などの飲食物)」)や「節会(せちえ)」(明治初期まで行われていた日本の宮廷で節日(祝の日)などに天皇のもとに群臣を集めて行われた饗宴を伴う公式行事)の略で、中国から伝わった「五節供(ごせっく)」(「人日(七草)の節供(1月7日)」「上巳(桃)の節供(3月3日)」「端午(菖蒲)の節供(5月5日)」「七夕の節供(7月7日)」「重陽(菊)の節供(9月9日)」)の行事に由来しています。

奈良時代頃から朝廷内で行われていた節会で供される「供御(くぎょ)」(天皇・皇族などの飲食物:当時は高盛りになったご飯など)が「節供(せちく)」と呼ばれていて、「五節供(ごせっく)」の祝儀料理全般のことを指していた言葉だったのですが、後に、最も重要とされる1月1日~7日の期間の「元旦節会」~「人日(じんじつ)の節句」(七草の節句)のお正月料理をさすようになり、庶民にも広く浸透してきたといわれています。
聞きなれない言葉が多く、注釈が色々と入っていますが、節句に食べるご飯は全ておせち料理で、お正月が一番重要な節句だったので、「おせち=お正月料理」になったと思っていただければOKです^^

ちなみに、元々は大晦日から元旦にかけての年越しの際に食べるものだったそうで、北海道や東北など一部の地方では、歳迎えの儀として大晦日に食べる風習が残っているそうです。
この事を子供に知っていれば、大晦日にこっそり伊達巻を食べて叱られたときに「歳迎えの儀だから!」と、回避できていた!…かもしれない(笑)

そんなわけで、江戸時代に広がりを見せたこの文化は、「蓬莱飾り」(関西)、「食積(くいつみ)」(江戸)「蓬莱台・手懸け盛り」(佐賀・長崎)など、地方それぞれの呼称で、床の間に三方などでめでたい食べ物などを飾って歳神様に供え、年始の挨拶に訪れたお客様にふるまったり、家族で食べたりしていましたが、その後いつからか、お重に詰めたものが「食積」で、お皿に盛りつけてあるものが「おせち」となり、今日まで続いています。

お重に詰められた様々なお料理は、壱の重から順に「祝い肴(三つ肴と口取り)」弐の重「焼き物」参の重「煮しめ」与の重「酢の物・和え物」で、地域によって構成が違ったりします。

例えば三つ肴の内容は関東では黒豆・数の子・田作り(ごまめ)の3種のところ、関西では田作りの代わりにたたきごぼうが入った3種であったり、「睨み鯛」といって正月三が日の間は箸をつけない尾頭つきの鯛を焼いたものを重詰めする風習があったりします。

お重に入れるお料理の品目は一段に5・7・9といった奇数の品目が縁起が良いとされていたり、四段重ねのお重は忌み数字の「四」は使わずに「与の重」と呼んだり。四段のお重は春夏秋冬や、完全を表す「三」に更に一つ重ねるという意味が隠されています。
五段重の五の重は土用を表していて、来年こそは重箱を一杯にできますようにという意味を込めて五の重の中身は空っぽだったり、控えの重として家族の好物を入れたり。(我が家は伊達巻♪)
ここにも縁起を担いだ様々な数字が織り込まれています。

加えて、お料理それぞれには様々な思いが込められていて、酢蓮に使う蓮根は穴が多数あるので「将来の見通しがきく」や、焼き物に使う鰤は出世魚であることにあやかって…や、長寿や出世を願った海老(腰が曲がっていてひげが長い様子や脱皮を繰り返すことにあやかって)などなど、昔の人々のユーモア溢れつつ(若干ダジャレ感は否めませんが)幸福を願い、ものやことがらを大切にして生きていた心が伝わってくるようです^^

それから、それぞれのお料理は日持ちするように、火を通したり、干したり、酢漬けにしたり、濃いめの味付けにしてたりしますよね。
これは、「火の神“荒神”を怒らせないために正月に火を使わない」(平安後期からの風習)や「台所の神様にお休みいただく」、「縁を切るに繋がるので包丁を使わない」、「洗い物をしてはいけない」、「元旦に買い物をしてはいけない」という様々な風習があるため、それらを避けるため、日持ちするように作っておいて、お重に入れて、祝箸を使って食べる…という事になっているそうです。

日頃頑張っている奥様方をお正月くらいは家事から開放するため…という事で言われ始めた風習もあったりしますが、そういった方々が日頃からゆっくり出来る時間が持てるようになっていくことを心から願います…!

「日持ちするように作る」という理由があったので、生ものなどの傷みやすいものを入れたりすることは無かったのですが、現在では食文化の多様化や、食品の保存技術の進歩で、生ものや珍味、中華風、西洋風など、バリエーションがかなり広がっております。当時の人が今のおせちを見たら驚くだろうな~^^

最近ではおひとり様用の「ぼっちおせち」や、好きなものだけを詰めた「だけおせち」、甘いもの大好きな方用の「スィーツおせち」なんてものもあるようで、面白いな~なんて思っております。

モノが豊富で、豊かな暮らしといえばそうなんですが、そんな今だからこそ、お正月は日本の伝統的なおせちを食べて、美味しいおせちが食べれる事を農家さんや蔵元さんに感謝しつつ、昔の人々の暮らしや願い、文化、和食には必須の発酵食品を生み出してくれた人々に想いを馳せる…なんていうのが心の豊かな暮らしなのかな~なんて思ったりもします。

さて、おせちのお話、いかがでしたでしょうか?
重箱の中に詰まった様々な人々の想いを感じていただけたかなと思います。
食べ物の話をしていたらお腹が空いてきてしまったので、僕もそろそろおせちタイムにさせていただきます^^
気合を入れて作ったおせちや鰤のお雑煮(実家の味☆)が僕を待ってますので~♪

本年も発酵食品のワークショップやイベント出店など精力的に行います!
1月5日にプランツで新年餅つき大会、1月9日~15日まで渋谷に新しく出来た渋谷スクランブルスクウェアに催事出店してますので、おせちとお餅で更にパワーアップ(ウェイトアップ?)した僕をお見かけの際はお気軽にお声がけくださいませ~!

それでは、本年もどうぞよろしくお願い致します!!

ナチュラル・ハーモニー
おふくろ男子 井上 智晃

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このコラムを書いた人

井上 智晃

「おふくろ男子」と呼ばれる人気漬物教室の講師。天然菌の醗酵食品を通じ、菌と共に生きている事を得心する。手作りしてどう出来るのかを知るのが大好き。(勿論、食べるのも!)井上菌絶賛散布中!

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