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「つくり手のメッセージ」 Vol.6

2022.08.01


~全国でお米を育てる皆さんから届いた言葉をご紹介します~
(※2021年の取材記事です。)

「つくり手のメッセージ」
 Vol.1  Vol.2  Vol.3  Vol.4  Vol.5  Vol.6  

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江本 義弘さん(兵庫県淡路市) 

自然栽培開始年 2012 年
代々続く農家の 13 代目という江本さん。幼虫などの生き物が多いのか、毎年田んぼの上には何十羽ものツバメが旋回し、家や納屋の軒先に巣をつくる様子を眺めるのが楽しみになっています。若い頃は好きではなかった農業が、今では天職のように思えると語ります。

メッセージ
いつもお世話になりありがとうございます。私自身、自然栽培による取り組み 10 年目になりました。今年は収穫直前に秋雨前線停滞による長雨が続き稲が倒伏寸前となり、刈り取りに悪影響が出た年でした。刈り取った後、すぐに田を耕し、8 カ月間ゆっくりと休ませ地力を蓄えさせます。昔から米づくりとは土づくりと言われます。その教えを教訓にするとともに、自然や植物と対話を繰り返しながら米づくりに励んでいます。自然の生態系をできるだけ損なわないよう「土」本来の力を活かしながら「持続可能な農業の確立」を図ることを大きなテーマに日々精進しています。
真心こめて育てた安全・安心のお米です。どうぞご賞味ください。

『品種』…①コシヒカリ
「かかしの夢」「瑞穂のしらべ」にてお届けします。


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反田 孝之さん(島根県江津市) 

自然栽培開始年 2009 年
山が大好きな反田さん。大学在学中に全国の山々を渡り歩き、たくさんの農村風景を眺めているうちに農業に興味をもったといいます。現在は、お米・ごぼう・大豆を奥さまと二人三脚で栽培。好きな農業で生計を立て大好きな家族に囲まれた暮らしに充足感を感じるからこそ、農業者だけでなく消費者にも自然栽培を広げたい、伝えてゆきたいと語ります。

メッセージ
わが故郷である当地は洪水多発地帯で、数年に 1 度必ず田畑が川の底になるのですが、今年はこの 4 年で 3 度目の洪水となりました。幸い田んぼは川の底というより湖の底なので、稲には大きな被害はありません。しかし畑の方はもう成り立たず、新規就農 18 年目にして岐路に立っています。近頃の気象は困ったものです。そういう意味で環境負荷の小さい自然栽培がもっともっと注目されることを願っています。

『品種』…①コシヒカリ
「かかしの夢」「北海道・西日本のお米」にてお届けします。

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丸瀬 和憲さん(鳥取県米子市) 

自然栽培開始年 2013 年
ヨーロッパで鞄作家として活動の後、自給的な暮らしに関心を持った丸瀬さん。帰国後、自然栽培農家で研修を経て就農しました。田畑などの大自然との調和、日常の自然に起こる出来事との調和を大切に過ごしています。牛舎だった建物を改装した空間では、農産物をつかった料理や奥さんの由香里さんがつくるお菓子を楽しむことができるカフェを不定期でオープンしています。

メッセージ
今年は農作業に注ぐ時間をなかなか捻出できず、「やはり」というか自分でも納得した減収でした。実現したいことが農業以外にもたくさんあり、結果、夜中に農作業を行うことさえありました。その時は意識もギラギラとやっていましたが、何といっても暗くて効率が悪い!色々な展望はあるものの、やはり自分たち家族だけでは手が足りないと、あらためて気づいたタイミングでもあります。様々な課題が山積みではありますが、まずお米に意識を投入して一本強固な柱にしていきたいと感じた年になりました。

『品種』…①朝日(未)
「北海道・西日本のお米」にてお届けします。 ※屋号…丸瀬家

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石田 卓成さん(山口県防府市) 

自然栽培開始年 2009 年
空いた田んぼを管理してほしいという相談に、「おもしろそう」と引き受けたのが米づくりの始まりでした。夢をもてない現代農業の実態を知り、23年勤めた消防員を辞め、専業農家になりました。その後、市議会委員に立候補し当選後は米づくりも続けつつ、農家そして地域の代弁者として忙しく駆け回る日々を送っています。

メッセージ
今年は、直播での自然栽培に挑戦してみましたが、ヒエが繫茂したり、用水が田んぼの隅々まで行き渡らなかったりと散々な結果でした。そのような中、嬉しかったことは、農業法人の後継者が見つかったことです。求人サイトに登録したところ、5名がヒエ抜きの手伝いに来てくれました。その中の2人が継続して農業をしたいと申し出てくれ、後継者として農業法人を引き継いでもらうことになりました。今年の水まわりと、夏場の草管理、そして稲刈りからは、全て自分達で段取りを考え、動いてくれるようになっており、頼もしいなと思いながら見ています。

『品種』…①朝日(未) ②農林 22号(未)
「北海道・西日本のお米」にてお届けします。

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松本 一宏さん(福岡県朝倉市) 

自然栽培開始年 2007 年
自然栽培を始めた当初、消費者の方から感謝の気持ちを伝えていただく機会があり、大切な誇りある仕事だと思えるようになったという松本さん。近年、大雨など自然環境の変化に悩まされることが多いそうですが、状況に柔軟に対応し、それを見て興味を持った人が少しずつでも自然栽培を始めてくれるような自然な形の普及ができればいい、と前向きに田んぼに向かいます。

メッセージ
ほぼ毎年ある豪雨の影響が気になりながらも、今年は天候に大きな問題もなく取り組むことができました。収穫量はやや少なめですが、近年は穫れた分で喜べることがまず大事と感じています。川の清掃など、里山の管理には人の力が必要ですが、今年はコロナ自粛の関係で行うことができませんでした。今後も集落のあり方に変化は訪れると予想しています。コロナを機に離農される方も多く、農業も新しい形を取り入れながら変化していくでしょう。そのような中で、次の世代にどれだけ農地を残し、どう渡していくかを考えながら取り組むことが、今の私にとっての大きなモチベーションです。

『品種』…①朝日(未)  ②イセヒカリ(未)
北海道・西日本のお米」にてお届けします。


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併せて読みたい!自然栽培米関連記事

「自然栽培でお米を育てる理由」前編
https://naturalharmony.co.jp/okome01/

「自然栽培でお米を育てる理由」中編
https://naturalharmony.co.jp/okome02/

「自然栽培でお米を育てる理由」後編
https://naturalharmony.co.jp/okome03/

「お米と品種の関係」
https://naturalharmony.co.jp/okome04/

「私たちの自然栽培米」
https://naturalharmony.co.jp/okome05/

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〈購入できる場所〉

■ナチュラル・ハーモニー ONLINE STORE
https://naturalharmony.store/

■ナチュラル&ハーモニック プランツ(直営店舗)
神奈川県横浜市都筑区中川中央1-25 ノースポートモール B2F
営業時間 11:00~20:00(年中無休、年始除く)
https://naturalharmony.co.jp/plants/


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