ハーモニックライフ(調和する生き方)という観点から、ナチュラル・ハーモニーの商品部スタッフ、大類(おおるい)が世の中について考察するライフジャーナル。
今回は、前編に引き続き未来予想です。皆さんが少しでも未来に希望を持ち、考えるきっかけになればと思います。
前編はこちら
「続・未来への提言」前編
成熟した社会に生きるということ
あらためて未来を創造しよう!!
ちょうど10年前の2015年に書いた「未来への提言」という記事を、今回あらためて、未来予想の部分の検証も兼ねて2回に分けて紹介しています。前編では2030年までの内容を、後編では2035年以降の内容をお伝えします。
西暦2035年:
少しずつ国境自体が薄れて、国や国民という概念がなくなっていきます。しかし、地域の文化は逆に大変栄えており、特に芸術的な興隆が世界的規模で起こります。技術革新はさらに進み、資源をほとんど浪費することのない移動手段ができて、誰でも気軽に世界中を旅することができます。物を蓄える必要がなくなり人々の生活がよりシンプルになり、財産を持つという概念が薄れ、持っていること自体が恥ずかしいと思うほどになります。お金で価値をはかることがなくなり、人々にとって本当に大切とされる物に価値が見出されます。
国は名前だけが残り国境が消えています。人々がお金すら必要のないことに気づき、貨幣のシステム自体が消えます。必要なものはすべて手に入るように設計され、すべてが無償提供されます。しかし仕事がなくなるわけではありません。仕事という考え方自体がなくなり、皆が生きがいを感じて奉仕活動を行っているような形態に移ります。週2日から3日程度の活動で、あとはすべて余暇に当てられます。世界から人類が抱えていた問題やあらゆる犯罪が消え、それに必要とされてきた職業がなくなります。病気に対する考え方が180度転換し、医療は予防医学が中心となり、最低限の施設が残るのみになります。
家族という概念すら薄れていきます。もちろん家族は存在して、むしろ家族の絆は強くなります。孤立したような核家族のあり方が変わり、地域やコミュニティのつながりが重視されます。しかし個人のプライベートは守られ、また、土地に縛られることはありません。子育てや介護も、地域やコミュニティが協力して行うものになります。法的な結婚制度がなくなり、あくまで個人の考え方が尊重されるようになります。世界からあらゆる法律が消え、最低限のルールだけが残ります。しかし、社会の仕組みは民主的に高度な管理をされており、世界中の自然環境が劇的に改善しています。一人残らず、すべての人が安心して住める場があり、人としての尊厳を守られ自由な生活を謳歌しています。
西暦2050年:
人類は振り返ります。50年前の地球は何だったのかと、なぜもっと早く気付かなかったのかと、人類が歩んだ歴史を振り返り二度と同じ過ちを繰り返さないと誓うのです。
さて、これが私の描いていた2015年当時の未来のビジョンです。まるでSF小説のようだったかもしれませんね。確かに単なる私の妄想と言ってしまえばそれまでですが、世の中の物理的、科学的な進化というよりも、人々の意識の変化による社会全体の変革を描いています。2025年の部分の検証としては、「中らずと雖も遠からず」といったところでしょうか?内容としては、当時想像できる限り徹底して前向きな理想の社会を描いたつもりでした。
読まれて疑問や意見を持たれる方がいらっしゃると思います。例えば、「あくまでも理想の世界であって、現実はそうはいかないだろう」、「お金がなくなると物々交換の世界に戻ってしまうのでは?」、「聞こえはいいが結局、共産主義に近い世界になるってこと?」など色々な考えが浮かんでくると思います。もちろん、ここに至るには、越えなくてはならないハードルがいくつも存在するのは事実です。しかし、皆が主体的に創造力を持って協力すれば、過去に逆戻りするような社会にはならないと信じています。
より良い未来を創造する大切な条件として最初に求められるのは、人類自体の意識的な成熟でしょう。そのためには過去の歴史を振り返り、争いや暴力では分断された社会を変えることは決してできなかったことを思い出すこと。情報に左右されることなく、自らが考えることを取り戻し、人類にとって本質的に「本当に役に立つこと」を選ぶことです。そして、かけがえのない自然の恩恵を浪費、破壊して取り返しのつかない状態になる前に立ち止まり、このまま行くとどうなるかを想像すること。このように過去行ってきた行為や選択を一つずつ冷静に見直すことで、必ず解決の糸口が見えてくるはずです。
それでも、現在の世界を見渡すと、とても楽観的な未来を描くことなど無理と言われるかもしれませんが、個人の日々の選択の積み重ねによっても、未来は確実に変えられると感じています。そして、どのような結果であれ未来は必ずやってきます。であれば少しでも明るい未来のために、いま何ができるかをもう一度考えてみませんか?
「あなたがこの世で見たいと願う変化に、あなた自身がなりなさい。」マハトマ・ガンジー
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