日本人であれば味噌汁を飲んだことのない人はいないでしょう。
そのくらい味噌は日本人にとってなじみ深い調味料のひとつです。
味噌の歴史や種類などの基本、
そしてナチュラル・ハーモニーの味噌は他と何が違うのかをご紹介します。
味噌の歴史
そもそも味噌とは、大豆を主体として、麦や米などの穀類に麹菌を付けたものと混ぜて発酵させたものです。こう聞くととても簡単に思われるかもしれませんが、その製造工程や発酵の過程にはとても複雑な微生物の働きの世界があります。この微生物の働きとそれを活かす環境がなければ、素材がどれほど良くても味噌を作ることができません。
味噌の歴史はとても古く、その起源は中国から渡ってきた醤(ひしお)であると言われています。醤は醤油の起源でもあるのですが、醤油になる前の姿を未醤(みしお)と呼ばれていたため、「みしお→みそ」となったという説が有力です。つまり醤油と味噌は兄弟のようなものですね。飛鳥時代の大宝律令(701年)に未醤という文字が書かれていたことから、この頃にはすでに味噌の原型があった事が分かります。そして江戸時代にはほぼ現在と同じような味噌が全国で造られていました。
全国多様な味噌の種類
味噌の種類には、大きく分けて地方ごとの環境の違いによる種類と、麹の違いによる種類に分かれます。地方による違いは、例えば東京では赤い色が特徴の江戸甘味噌、関西全般に伝わる最も甘口の白味噌、愛知県や三重県に伝わる濃い味が特徴の豆味噌(八丁味噌)などです。麹の違いでは、大豆に米麹を加えたものを「米みそ」、大豆に麦麹を加えたものを「麦みそ」、大豆のみで麹を加えたものを「豆みそ」と言って麹菌をどんな穀物に付けたかで呼び名や味が変わります。さらに地方ごとの味噌蔵により原料の違いや割り合いの違い、麹の種類や割り合いの違いによっても色や味が変わり、全国でも様々な種類の味噌が造られていました。
味噌づくりの効率化
江戸時代ごろまではそれぞれ地方ごとに特色のある味噌がありましたが、これは味噌蔵のある地方ごとに原料の大豆や米や麦を調達して、麹は麹菌を専門に作る麹屋があり、そこから麹を調達して味噌を醸造していました。昔の麹菌の採取の方法は、稲や大豆や米に自然に発生したカビを人の目で判断して分別し、あくまで自然の素材の中で培養することで得ていました。そのため、その土地ごとに個性ある味噌が生まれていたのですが、麹が不安定で思ったように発酵せず、場合によっては醸造に失敗してしまうことも多かったそうです。
大正時代ごろになると、麹菌を化学的に純粋培養することで安定的に醸造できるようになる技術が発達しました。味噌に限らず、麹菌を使用する清酒や醤油などもそれぞれの醸造に合う麹菌が純粋培養され種類別に販売され、麹屋自身もメーカーから菌を購入するという手段が生まれました。
現代になると、より純粋培養技術が発達して菌自体の発酵する力は強くなり、安定した味噌の生産ができるようになりましたが、その反面、単一の菌であることから画一的な味になり、昔ほど蔵ごとや地方ごとの味に差がなくなってしまいました。
天然麹菌の自家採取の復活
そこでナチュラル・ハーモニーは、本来の味噌づくりを復活させるべく、味噌の醸造に使う麹菌として、蔵内で大豆に付着した麹菌を採取した天然麹菌を使った味噌づくりに着手することにしました。そして生まれたのが、「ナチュラル・ハーモニーの味噌」です。この天然麹菌の復活には様々なドラマがあり、最初にアドバイスいただいた三好基晴先生と福井県のマルカワみその協力のおかげで誕生することができました。マルカワみそでも麹菌の自家採取は60年ぶりの復活であり、前例がなく記憶をたどりながらの採取になりましたが、試行錯誤の上、最終的にしっかりと、納得の味噌が仕上がりました。そして、その麹菌を調べると数種類の野生の麹菌が混ざっている状態だということが分かりました。現代では単一菌の使用が当たり前になっている訳ですが、複数の麹菌が絡み合うことで複雑で味わい深い味噌ができました。
ナチュラル・ハーモニーの味噌は、米みそと麦みそと豆みその3種類があります。米みそと麦みそは福井県のマルカワみそ、豆みそは三重県の辻岡醸造で造られています。それぞれの原料は言わずもがな、すべて自然栽培で天然麴菌のみで醸造されています。天然麹菌と自然栽培の原料はとても相性が良く、じつに個性豊かな味わい深い味噌に仕上がっています。
ぜひ、数十年ぶりに復活した天然麹菌の味噌を味わってみてください。
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