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ライフジャーナル(大類久隆)

甘味料の基本を知ろう!

2026.07.01

ハーモニックライフ(調和する生き方)という観点から、ナチュラル・ハーモニーの商品部スタッフ、大類(おおるい)が世の中について考察するライフジャーナル。
今回は、ズバリ「甘味料とは何か」について書いてみました。世の中には様々な甘味料が溢れており、その種類の多さに迷われる人も多いと思います。そこで甘味料の分類から身体への影響まで、分かりやすく紐解いてみます。


 

甘味料の基本を知ろう!

 

甘味料の全体像から見えるもの
「糖」が体内で巡る仕組み

日々の食卓において、「どんな甘味料を選ぶか」は、自然に寄り添うライフスタイルを大切にする方にとって極めて重要なテーマですね。近年はスーパーやコンビニで「カロリーオフ」や「糖類ゼロ」を謳う商品が溢れていますが、その裏側にある甘味料の正体や、私たちの体の中で起きている変化を正しく把握することは、心豊かな食の選択に直結します。
今回は、一般的な砂糖から人工甘味料までの分類、混同しやすい「糖質」と「糖類」の違い、そして体が糖をエネルギーに変える「糖代謝」の仕組みについて、分かりやすく紐解いていきます。

 

1.甘味料の全体像:自然の恵みか、化学の力か

まず甘味料とは、食品や飲料に「甘み」をつけるために使用される調味料全般のことを指します。甘味料は大きく分けると、デンプンなどの炭水化物由来の「糖質系甘味料」と、糖質以外でエネルギーになりにくいが、ごく少量で強い甘みを出せる「非糖質系甘味料(高甘味度甘味料)」の2つに分類されます。

① 糖質系甘味料(炭水化物由来のもの)

・糖類:糖の最小単位である単糖と、その単糖が2個結合した二糖類の総称です。 サトウキビやテンサイから作られる砂糖(ショ糖)や、水飴、蜂蜜、ブドウ糖、果糖などがここに含まれます。古くから人類が親しんできた基本的な甘味料です。

・少糖類・その他:糖の最小単位である「単糖」が3個〜10個ほど結合した炭水化物の総称です。オリゴ糖やデキストリンなどを含む分類になり、一部は小腸で消化されにくく、一般的に大腸で腸内細菌に利用されると言われています。

・糖アルコール: エリスリトールやキシリトールなど、自然界にも微量に存在しますが、エリスリトールはデンプンを酵素分解して得たブドウ糖を特殊な酵母で発酵させて作られます。一方でキシリトールは、デンプンなどを原料に工業的に還元(水素添加)して作られます。キシリトールなどは、お腹で吸収されにくく一度に食べすぎるとお腹が緩くなりやすい性質があります 。

 

② 非糖質系甘味料(糖質以外の成分)

・天然甘味料: ステビア(キク科)や羅漢果(ウリ科)など、植物の葉や果実から抽出される甘味成分です。自然由来でありながら血糖値を上げにくいという特徴を持ちます。

・人工甘味料(合成甘味料): アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなど。これらは自然界には存在せず、化学合成によって作られます。カロリーゼロを実現できる一方で、腸内細菌叢(マイクロバイオーム)への影響や味覚への影響を懸念する研究もあり、自然志向の観点からは慎重に選びたい素材です。

2.「糖質」と「糖類」の明確な違い

食品のパッケージで「糖質オフ」や「糖類ゼロ」という言葉を目にしますが、この二つは厳密には異なります。ここを整理すると、食品表示の裏側がよく見えてきます。まず、三大栄養素の一つである「炭水化物」は、体内で消化吸収される「糖質」と、消化されない「食物繊維」に分けられます。つまり、【炭水化物 = 糖質 + 食物繊維】です。そして、「糖質」という大きなグループの一部として「糖類」が存在します。

・糖質: 炭水化物から食物繊維を除いたものすべての総称になります。砂糖、ブドウ糖、オリゴ糖(少糖類)、デンプン(多糖類)や、甘味を持つ糖アルコールもここに含まれます。

・糖類: 糖質の中でも、これ以上分解できない「単糖類(ブドウ糖、果糖など)」と、それが2つ結合した「二糖類(砂糖、麦芽糖など)」そして、単糖類が3つ以上結合した「少糖類(オリゴ糖など)」もここに含まれます。特に単糖類、二糖類は甘味が強く、摂取すると素早く血糖値を上げるのが特徴です。

なお、日本の食品表示ルールでは、エリスリトールなどの「糖アルコール」は、法的な「糖類」の分類から明確に除外されます 。そのため、商品パッケージに「糖類ゼロ」と書かれていても、エリスリトールなどの糖質が含まれている場合があり、カロリーがゼロとは限らないのはこのためです。

3. 命を動かす「糖代謝」の仕組み

私たちが口にした甘みは、体内でどのように処理されるのでしょうか。この一連の流れを「糖代謝」と呼びますが、甘味料の種類によって代謝の方法が異なります。以下は例として、糖類である砂糖(ショ糖)を摂取した場合の代謝の流れと、エネルギーになりにくいと言われる、糖アルコール類と非糖質系甘味料の代謝の流れの説明になります。

  • 砂糖(ショ糖)の代謝の流れ

① 消化と吸収
砂糖(ショ糖)を食べると、消化酵素の働きによって細かく分解され、「ブドウ糖」と「果糖」という単糖類になります。これらが小腸から血液中に吸収されると、血液中のブドウ糖濃度、すなわち「血糖値」が上昇します。

② インスリンの働き
血糖値が上がると、すい臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンは、血液中のブドウ糖を筋肉や臓器の細胞内へと導き入れる「鍵」の役割を果たします。

③ エネルギーへの変換
細胞に取り込まれたブドウ糖は、酸素と反応して私たちが生きるためのエネルギー(ATP)を生み出します。

④ 余剰分の蓄積
細胞内で使い切れなかったブドウ糖は、一時的な貯蔵庫である肝臓や筋肉に「グリコーゲン」として蓄えられます。しかし、その貯蔵量にも限界があるため、さらに余った分は中性脂肪に変換され、脂肪細胞に蓄積されてしまいます。これが、糖分の摂りすぎが肥満につながる生化学的なメカニズムです。

  • 糖アルコール類と非糖質系甘味料の代謝の流れ

砂糖が「吸収されてエネルギーや脂肪になる」のに対し、カロリーゼロや低カロリーを謳う甘味料は、私たちの体内で異なる代謝経路を辿ります。そのため、多くは血糖値への影響が小さいとされています。

① 糖アルコール(エリスリトール、キシリトールなど)

糖アルコールの多くは、人間の消化酵素ではうまく分解できず、小腸で吸収されにくいという特徴を持っています。例外としてエリスリトールは大半が小腸で吸収されて血液に入りますが、体内でエネルギーとして使われることなく、ほとんどがそのまま「尿」として排出されま

これに対してキシリトールなど、その他の糖アルコールは、吸収されないまま大腸へ届き、腸内細菌によって発酵分解されます。「一度に大量に食べるとお腹が緩くなる」という注意書きがあるのは、大腸内の水分バランスが変化するためです。

なお、近年(2023年・2024年)の研究では、エリスリトールなどを多く摂取すると、一時的に血液が固まりやすくなり血栓を作るリスクを高める可能性が指摘されており、心血管への安全性をより慎重に見極めるべきという議論が始まっています 。

② 非糖質系甘味料の代謝ルート(天然・人工)

・天然甘味料(ステビア、羅漢果など): 人間の体ではエネルギー(ブドウ糖)として認識・吸収されません。一部は腸内細菌の働きで分解されますが、基本的には血糖値を上げることなく体外へ排出されます。

・人工甘味料(スクラロース、アスパルテームなど): スクラロースは、砂糖を元にしながら、体内で分解されにくい特殊な形に加工された甘味料です 。食べた分の約85%はそのまま便として排出されますが、残りの約15%は一度体内に吸収され、一部は体の中で変化したあとに、尿から排出されることが研究で分かっています 。一方、アスパルテームは消化管の中でアミノ酸などに完全に分解されて吸収されるため、ごく少量の使用で済み、結果としてカロリーはほぼゼロになります 。

世界保健機関(WHO)が2023年に発表したガイドラインでは、これらの甘味料を使い続けても長期的なダイエット効果は期待できず、かえって糖尿病や心血管疾患などの生活習慣病リスクを高める可能性が指摘されました 。このため、すでに糖尿病の方を除き、健康管理や体重減少の目的で人工甘味料を常用することは推奨されていません 。

【自然志向の視点から見る代謝の事実】
血糖値を上げない、カロリーにならないというのは現代人にとって魅力的です。しかし、「消化吸収されずに大腸へ直行する」「全く代謝されずに素通りする」という本来の食物とは異なる不自然なプロセスが、私たちの健康の要である腸内環境(マイクロバイオーム)にどのような影響を与えるのか、近年様々な研究で議論され始めています。自然な食のあり方を考える上で、この「代謝の不自然さ」も知っておきたいポイントです。

4. 自然志向の甘味料選びのポイント

糖代謝の仕組みを理解すると、単に「カロリーが低いから」という理由だけで人工甘味料を選ぶことの不自然さに気づくかもしれません。自然志向の観点からは、以下のような視点で甘味料と付き合うのがおすすめです。

・糖類を選ぶ: できるだけ糖類に属したものを選びましょう。なぜなら、人間が昔から、ほぼ物理的な方法だけで手に入れることのできた、基本的な甘味料だからです。また白砂糖のように高度に精製された糖は、不純物がない分、吸収が急激で血糖値を乱高下(血糖値スパイク)させやすくなります。黒糖、きび砂糖、てんさい糖、あるいは蜂蜜やメープルシロップなど、ミネラルやビタミンが残っている未精製のものを適量楽しむのが、体への負担を和らげるコツです。
ただし、黒糖やきび砂糖なども主成分は糖分(ショ糖)であることに変わりはありません 。過剰に食べれば白砂糖と同じように血糖値を上げ、肥満や糖尿病などの健康リスクにつながるので注意しましょう。

・素材本来の甘みを活かす: 調味料としての強い甘味に頼りすぎず、野菜や果物、穀物が持つ自然な甘みを引き出す調理法を心がけることで、味覚が本来の敏感さを取り戻し、過剰な糖分摂取を自然と抑えることができます。

世間では、どのような甘味料もできるだけ避けた方がよい、という意見もありますが、私たちは、決してすべてが食卓の悪者とは考えていません。もちろん、より自然のものをおすすめしていますが、大切なのは、それぞれの甘味料の素性を知り、それがどのようなプロセスを経て作られたものか、そして私たちの体がそれをどのように受け入れ、エネルギーへと変換しているのかを知ることが大切です。ぜひ、日々の食材選びの参考にしていただければ幸いです。

参考資料:

・精糖工業会HP

・独立行政法人 農畜産業振興機構「人工甘味料の使用に関するWHOガイドラインについて考える」


文:類 久隆
ナチュラル・ハーモニーの商品部担当。
とにかく何でも調べるのが大好きです。
自称、社内一の食品オタク。
食べることも忘れて日夜奮闘中……?

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