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ライフジャーナル(大類久隆)

オールドメディアとの付き合い方

2025.02.01

ハーモニックライフ(調和する生き方)という観点から、ナチュラル・ハーモニーの商品部スタッフ、大類(おおるい)が世の中について考察するライフジャーナル。
今回は、テレビや新聞など既存のオールドメディアについて考察します。


オールドメディアとの付き合い方

 

テレビや新聞の今後は!?
印象が単純化される危険性



昨年は衆議院議員選挙があり、また、兵庫県知事選挙が全国規模で注目を集めることになりました。特にテレビ以外のSNSなどのメディアで詳しく内容が取り上げられたことで、選挙結果に大きく影響を与えたと言われています。衆議院議員選挙では、与党が15年ぶりに過半数割れになる事態になり、その後の政局が色んな意味で揺れ動いていると言えます。そして兵庫県知事選挙では、元知事である斎藤氏の動向が注目され、特に既存のオールドメディアとSNSの取り上げ方や見かたが正反対になり、世論が二つに割れたかのような事態になったことが象徴的でした。

 

年齢で分かれた投票行動

まず衆議院議員選挙では、投票率が53.85%と戦後3番目に低かったにも関わらず、自民・公明が過半数割れになりました。通常投票率が低いほど自公が盤石な組織票に支えられて勝つケースが多かったのですが、今回の選挙ではその定説が覆されて、野党が大きく票を伸ばしました。特筆すべきは、年齢別の比例区の投票先を見ると、30歳以下の若年層は投票率が低いにも関わらず、野党の中でも第一党の立憲民主党ではなく、国民民主党とれいわ新選組を支持していることが分かりました。これは何が起きたかというと、自民党の裏金問題を糾弾し続けた立憲民主党に対して、党の政策を伝えることに集中した国民民主党とれいわ新選組を若年層が支持したということです。逆に60歳代以上の高齢者ほど、自民党と立憲民主党を支持する傾向がありました。

一方で兵庫県知事選挙では、元県知事の斎藤氏に対する報道姿勢は、テレビや新聞などオールドメディアとSNSでは正反対の意見展開がなされました。どちらが正誤であるかは別として、最初は劣勢と伝えられていた斎藤氏は、SNSなどで支持を拡大して逆転勝利するという結果になりました。



オールドメディアの凋落

これらの出来事は、世論形成という意味でテレビや新聞などのオールドメディア以外のSNSによる影響力が確実に増していることを表しています。むしろ双方の選挙を通してテレビの敗北であるという厳しい意見もあり、つまり本来は公正中立であるべき報道が、根拠の薄い内容に基づいていたり、特定の人物や党のネガティブな情報を偏って流している可能性が否定できませんでした。かといってSNSが公正中立であるという事ではなく、むしろ極端な意見もあり玉石混交の情報が流れているという状況もあります。いずれにしても今回の選挙では、その状況を有権者が理解した上で、自身で情報を選択して1票を投じたことの結果であり、今後はその傾向が一層強くなることでオールドメディアが信頼を失う可能性すらあります。

このようにあらゆる報道や情報が、発信された段階からすでに何らかのバイアスがかかっており、ある特定の事実を伝えていたとしても、必ずしも真実ではないという認識が広まったように思います。また、メディアは物事を単純化してセンセーショナルに伝えようとするため、視聴者は表面的な善悪論に陥りやすいことも改めて感じました。



政治的プロパガンダの怖さ

人は感情に訴えかけられると、物事の印象が残りやすくなります。特に物語と感情に訴えるという手法が結びつくと、深く記憶として残り、無意識の中で自分の考え方や判断軸を形成することになります。これが映画であれば良いですが、政治的な事柄の場合、例えば特定の人物や団体の一方的な情報や一部を意図的に切り取って伝えることで、偏った印象を植え付けかねません。特に単純化された善と悪という構図で伝わると、分かりやすいかわりに、他の考え方を受け入れることが困難になります。この善悪論として単純化するという方法は、昔から政治的プロパガンダとして使われてきた手法です。かつて湾岸戦争のきっかけとなったイラクによるクウェート侵攻の直後、ナイラという少女が「イラク軍兵士がクウェートの病院から保育器に入った新生児を取り出して放置し、死に至らしめた」と涙ながらに米国議会で訴えたことで国際的世論を動かし、無関係であった米国が主導して多国籍軍を率いてイラクを殲滅することになりました。しかし、その後このナイラという少女の証言が捏造であることが分かり、その後の調べでクウェート政府が米国のPR会社に依頼した広報キャンペーンの一環であることが判明したということがありました。

一つの意図的に歪められた情報が戦争に繋がり、国の運命すら決めてしまう怖いプロパガンダの例ですが、事の大小に関わらず、今後特にオールドメディアが流す情報は、ある意図をもって流されていることに注意して、鵜呑みにせず冷静に判断することが大切だと思います。




■参考資料:
・毎日新聞デジタル「朝日世論調査」
・ウィキペディア「ナイラ証言」


文:類 久隆
ナチュラル・ハーモニーの商品部担当。
とにかく何でも調べるのが大好きです。
自称、社内一の食品オタク。
食べることも忘れて日夜奮闘中……?

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