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ライフジャーナル(大類久隆)

分断を越えるとき【後編】

2022.10.05

ハーモニックライフ(調和する生き方)という観点から、ナチュラル・ハーモニーの商品部スタッフ、大類(おおるい)が世の中について考察するライフジャーナル。
今回は、分断された世の中に見る時代背景や、激動、変化の先に見えてくる新たな生き方について前後編に渡り考察してみました。

> 前編はこちら 「分断を越えるとき」【前編】


分断を越えるとき【後編】

混迷を深めるときほど大切なこと
分断から統合の時代へ

前回は、政治活動を行う上で、宗教という思想を利用して分断することが有利であったという話をお伝えしました。今回は、そのような流れになった歴史を見ながら全体をより深く考察していきます。

そもそも仏教以降の外国から日本へ伝来した宗教の多くは、一神教という絶対的な神を祀り、「神対人間」という関係性が明確に分かれているのが特徴です。つまり神は絶対的存在であり、比較して人間は罪深く不完全な存在であるため、その宗教に属し神を通して人間は救われるという認識です。また神に選ばれし者であるという選民思想に結びつくことが多く、さらにその思想が歴史上、優生思想や民族至上主義などに強い影響を与えてきたことも事実です。そのためその思想と政治が融合することは、難しいことではなく、むしろ双方にとっても都合が良かったのです。

世界を見ると多くの民主主義国家が政教分離を選択していますが、それは「国家運営に直接権力を行使するなどの影響を与えない」という意味であり、政治活動そのものは認められています。基本的に民主主義の国では選挙制度によって代議員が選ばれるのですが、そこに大きな影響力を持つのが個人の票よりも組織的な票になります。企業、労働組合、宗教団体といった組織の意向により票が左右され、当然そこには政治的な意図があります。組織票の特徴として、純粋な社会的問題の解決や提案よりも、特定の権利の主張や法的な変更を訴える傾向があることは否定できないでしょう。

例えば米国内で活動するキリスト教系右派団体組織で、議会に大きな影響力を持っている組織は多く存在します。問題の教団も米国議会で精力的なロビー活動を行っており、またそれ以外の側面としてマスメディア、金融、医薬品、銃器などのコングロマリットを形成しており、政治活動と合わせてこちらが組織の本体であるとも言えるかもしれません。このように右派的傾向の強い宗教団体というのは珍しいことではなく、過去政治の中で一定の影響力を行使してきました。

さて、今回の問題を一部の宗教団体と日本の政治家のモラルの問題で捉えてしまうと本質が見えてきません。しかし歴史的に見ると、米国の第二次世界大戦後の戦略として反共産主義体制をアジアに布くため、南北に分かれた朝鮮半島の南側は米国の統治下にあり、右派的な政治活動や思想教育がなされていたこともあったようです。そうした背景の中で生まれてきた教団であり、日本の一部の政治家と利害関係が一致する部分もあったようです。

これらが私の考える歴史的流れから見た今回の問題の本質的背景です。そこには世界を分断しようとする政治的戦略が垣間見え、さらにそこを取り巻く組織や協力者が存在するようです。なぜ、このような分断が行われるのかは、欧米諸国による植民地化の名残であり、それによって巨大な利益を得る軍産複合体の存在もあります。さらにその深層には民族至上主義的な思想の影響も見えてきます。

過去アジアを含めた多くの国が分断されてきましたが、そのような分断に至る政治的イデオロギーの時代は終わろうとしています。すでに世界は多様化し、様々な価値観やイデオロギーが存在することで、さらに複雑な政治的状況を作り出しているのも事実ですが、多くの国民がそこに気付きだし、一人ひとりが本来の生き方や自由とは何かを追及しはじめています。

もちろんそのような中で信仰の自由は守られるべきであり、基本的に人の信仰心を制限することはできないと考えています。しかし歴史上で宗教によって政治的な分断が起きていることも事実であり、広い視野で捉えることが大切です。

現在多くのメディアが分断を助長するようなネガティブな情報を拡散し混迷を深めているような世界であっても、確実に分断から統合の時代に移ろうとしています。それを確実にするものは、私たちの一人でも多くの人が社会の仕組みの不自然さに気付き、より自然の摂理に沿って生きることなのでしょうね。

> 前編はこちら 「分断を越えるとき」【前編】


大類 久隆
ナチュラル・ハーモニーの商品部担当。
とにかく何でも調べるのが大好きです。
自称、社内一の食品オタク。
食べることも忘れて日夜奮闘中……?


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