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ライフジャーナル(大類久隆)

自然と調和した社会の作り方

2022.07.18

ハーモニックライフ(調和する生き方)という観点から、ナチュラル・ハーモニーの商品部スタッフ、大類(おおるい)が世の中について考察するライフジャーナル。
今回は、私の考える「自然との調和した社会」についてお伝えしていきます。


自然と調和した社会の作り方

古い価値観と常識を疑おう!
心のあり方がすべてのカギ

2回にわたり、これから起こるであろう社会の転換に向けて、大切な要素となることを書いてきました。これまでかなり内容を詰め込んでしまったので、今回はもう一度要点をおさらいしつつお伝えします。

> 前回の記事はこちら 「人類が超えるべきこと」

> 前々回の記事はこちら 「パラダイムシフトが始まる」

まず自然観について。私はそもそも人間には自然観というものが備わっていると信じています。人間は大自然に触れたとき誰でもその圧倒的な偉大さに畏敬の念をいだくことがあります。これは、全人類に共通した価値観であると思っています。しかし、ひとたび現代の経済の枠組みに当てはめた途端、それは、まったく無価値なものに変質してしまいます。
鉱物であれ植物であれ人の手によって加工され、その生産性の中で計られて最終的に貨幣に換算されないと価値があるとはみなされないのです。つまり市場で売買され利益を生み出す事が前提になるので、逆に売買出来ない物は価値がないも同然になります。

ここで発想を転換してみましょう。本来この経済の仕組みの中では、貨幣が介在して価値を計る事になっていますが、そもそも売買されるもの自体が存在しないと貨幣は意味を成さないはずです。しかし現代では貨幣そのものが価値を持ってしまっています。まだ金(ゴールド)などの貴金属と価値を同じにして交換できるのであれば分かりますが、現代の貨幣は何の裏付けもなく単にコンピューター上を行き来する数字に過ぎず、それが永遠に増殖し続けています。これがどれほど不自然で異常なことか分かるでしょうか。自然界において永遠に朽ちることなく無条件に増殖し続けるものは存在しません。強いて言えばガン細胞ぐらいであると言われています。そして増殖の果てにあるものは何でしょう?

貨幣の増殖とともに商品化した物も増えることになるので大量生産、大量消費を止められず地球の資源が枯渇していくことになるでしょう。そうならないために価値の意味を考え直す社会制度の変更が必要です。それは、ズバリ人間が生きる上で最も基本となる資源を売買の対象にするべきではないということです。土地やあらゆるエネルギー源となるもの、そして人間の生活を支える基本的インフラに関わるもの(飲料水、水道、電気、燃料、通信、交通など)、これらを市場原理の中で流通させず、税金もかけないということです。

このように具体的に資源の共有化をするのは、国民に安く安定的に供給するという目的だけではなく、徹底的に自然の資源が共有財産であるということを意識してもらう必要があるからです。もちろんこれですべてが解決するわけではありませんが、これだけでも社会は激変するでしょう。そして時間はかかっても少しずつ社会全体の価値観の転換を促していくことになります。

さて、このように資源を共有するときに障害となるのが、やはり人々の所有という概念です。失うことの不安感があったり生活に必要とされる物や条件が満たされないままでいると、必要以上に所有することに執着することになります。また、社会全体として物質的に豊かなことが幸福であるという植え付けがあります。もちろん戦後間もなくの時代で生活に必要なものに不足する状況であれば、そういった意識付けは社会の復興という意味で働くことへのモチベーションになると思いますが、これほど成熟した社会で物が溢れる状況では、すでに意味を成さないと思います。

特に前述した不安感や不足感が生まれるのは、現代の貨幣制度の中では避けられないことです。それは国民全員に行き渡ることはなく不足状態を作り出し競争を持続する仕組みだからです。つまり永遠に椅子取りゲームを強制しているわけです。ただし所有欲がすべて悪で禁欲的な生活が善であるという精神論を押し付けるものではなく、むしろ社会の構造や意識が変わってくれば必然的に所有という概念も薄れてくると考えています。もしすべての人が基本的な生活が保障され経済的格差がなくなり、豊かな生活がおくれるとしたら、より多くを所有しようとは思わないでしょう。いつでも必要なものは手に入るのですから。

もし将来そのような社会が実現したら、一生かかっても使いきれないお金を持ち、あらゆる物に囲まれた生活をおくることは、理想的な生活とは言えず逆に気の毒だと思われるようになるかもしれません。そのくらいの価値観の転換がありえると思っています。

理想的な社会は実現可能か?という人類の永遠のテーマような問いですが、しっかりとした手順を踏めば可能だと思っています。もちろん簡単な作業ではないですが、あらゆる制度や法律を適切に変えるという物理的な面と人々の意識を変えるという心理的な面の両方向からの取り組みが必要です。
そのときに最も本質的な理念として人々の心の中に据えなければいけないことは、「自然との調和」であり、これを「愛と平和」と言い換えても良いかも知れません。これがあらゆる考え方や行動の基礎とならないとその上に構築する物がとても不完全なものになってしまいます。

今回は、これから社会が大きな価値観の転換をする上で必要な要素と考えかたを書いてきましたが、世間ではまだまだネガティブな報道や情報が溢れています。それが、社会の変革を遅らせている原因のひとつであると考えています。そのような価値観に惑わされず、ぜひ皆さんの理想の生き方を心に描いてみて下さい。それが一番の近道になるのですから。


文:類 久隆
ナチュラル・ハーモニーの商品部担当。
とにかく何でも調べるのが大好きです。
自称、社内一の食品オタク。
食べることも忘れて日夜奮闘中……?

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