「自然栽培」とは「農薬・肥料不使用」の栽培法
ナチュラル・ハーモニーが事業の根幹に置く「自然栽培」。それは、簡単に言うと「農薬・肥料をつかわない栽培」のことです。農薬・肥料に頼らず植物と土の本来持つ力を引き出す農業で、自然に負荷をかけることない永続的な農業方式です。
自然栽培では、例えば、国で安全だと言われている農薬でも全く使いませんし、化学肥料はもちろん、有機肥料と言われる家畜の糞尿などの動物性有機堆肥、植物性有機肥料、有機物由来の防除・消毒剤、育苗土への肥料なども使いません。
ほかの栽培法となにが違うの?
世の中にはさまざまな栽培法があります。よく聞くようになった「有機栽培」をはじめ、他の栽培法とは何が違うのでしょうか?主な栽培方法について、それぞれの大まかな違いを、以下の表にまとめました。
■それぞれの栽培方法による違い(※1)
一番右の「慣行栽培」は、現状の日本で最も一般的な栽培方法で、多くの食品店で広く販売されているのが、慣行栽培の野菜です。例えば、「●●産」とだけ表記されている野菜は、慣行栽培であることがほとんどです。
慣行栽培を基準とすると、例えば「特別栽培」は肥料・農薬の量は50%以下、「有機栽培」は使える農薬が制限されており、肥料は化学肥料を使わず有機肥料のみを使用します。よく「有機栽培=無農薬」と思われてる方もいらっしゃいますが、無農薬のものもあれば、農薬を使っているものもあります。そして一番左の「自然栽培」は農薬不使用で、肥料は、化学肥料も有機肥料も全く使いません。
一方で、収穫量、生育期間は、右にいくほど多く短く、左にいくほど少なく長くなる傾向があります。大量生産・大量消費が求められる状況では、現状最も普及している慣行栽培が、やはり多く早く安定して生産できるメリットがあります。
農薬・肥料がなくても野菜は育つの?
では、農薬どころか、肥料も施さないのだから、やっぱり自然栽培は野菜が育たないのではないかと懸念されるかと思います。上記の表のとおり傾向としてはその通りですが、実は、栽培に必要な条件が揃えば作物は立派に育つことが分かってきました。自然栽培はまだまだ発展途上の栽培方法で、それぞれ試行錯誤を続ける生産者が多いのですが、その中で年々収穫量を増やし、かつて慣行栽培をしていた頃の収穫量を超える人たちも徐々に現れてきました。
その実績を見てみると、過去の農薬や肥料の影響が残っている土を作り直す、ということから始まり、様々な条件に加え、主には「3つの天体エネルギー」が作物を育てる源になると考えられています。3つの天体とは「太陽・月・地球」。現代科学で証明しうる範囲では、太陽は紫外線などをはじめとする光線、月は潮の満ち引きなど水に働きかける引力、地球は地熱や磁力などをうみだしています。しかしそれら以外にも、まだまだ証明しきれていない様々な力が発生しているのではないかと考えられており、まさに研究中で年々進化している栽培法なのです。
「自然栽培」という言葉との付き合い方
健康志向が高まるにつれ、「自然栽培」という言葉も少しずつ見聞きすることが増えてきました。しかし、現在「自然栽培」という言葉は明確な定義がないままに「なんとなくナチュラルな栽培方法」という程度で使われていることもあります。農薬や肥料の量が少ないとか、植物由来の薬品や肥料を天然素材だからと入れていたり、逆にほったらかしの農法だったり、それらも「自然栽培」という名前で呼ばれていることもあります。名前だけで判断せずに、どんな考え方でどんな栽培方法なのかを気にかけることが大切です。
ナチュラル・ハーモニーが提案している「自然栽培」は「農薬・肥料不使用」です。そして、一緒に「自然栽培」を実践している生産者たちは、年月を費やして、土づくり・タネづくりを行います。自然界を手本にして、自然から学び、自然を尊びながら自然に添っていく。そして大自然の法則を田畑に応用していきます。農薬や肥料に頼ることなく大自然の潜在能力を田畑に発揮すること、植物の本来の生き方に向き合うこと、これをもって「自然栽培」と呼んでいます。
※1 気温・天候・土壌などすべての環境条件が同一の場合とします。各分類は、慣行栽培(一般的な栽培方法)を標準とした場合の大まかな傾向を示しています。農薬・肥料の使用量や栽培技術によって結果は異なりますので、あくまで傾向の一つとしてご理解ください。※2 原則として、農林水産省が定める「有機JAS規格」を満たした栽培方法をさします。おもな例として、多年性植物は最初の収穫前3年以上、それ以外は種または苗の植えつけ前2年以上を化学的に合成された肥料および農薬の使用を避けて栽培することを条件としています。家畜の糞尿や植物残渣などを醗酵させてつくる有機肥料、一部の指定農薬の使用は認められています。※3 各地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べ節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下である栽培方法をさします。
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