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ライフジャーナル(大類久隆)

真のグローバリストになろう!

2023.07.03

ハーモニックライフ(調和する生き方)という観点から、ナチュラル・ハーモニーの商品部スタッフ、大類(おおるい)が世の中について考察するライフジャーナル。
今回は、いまの話題の「グローバリスト」の真のあり方について考察してみました。


真のグローバリストになろう!

市場主義経済にもの申す
新しい地球主義のススメ

「グローバリストは皆地獄に落ちればいい。」

そんな衝撃的な発言をしたのは、昨年の八月に米国の保守系政治会議(CPAC)に参加したハンガリーのオルバン・ビクトル首相でした。来賓として出席したオルバン氏は、EUや米国の政治姿勢を公然と批判したり、移民政策の強行に反対するなど、度々その発言に注目が集まる保守の政治家として有名です。

なぜ今グローバリズムが問題になっているのでしょう?
そもそもグローバリズムの本来の意味は、「地球を丸ごと一つの共同として考える」というものでした。国境など垣根を越えて政治や経済、文化を地球規模で考えようという思想に基づいています。これだけを聞くと決して悪いイメージは沸かないのですが、近年問題になっている理由は、徹底して経済や貿易における規制を排除して、競争力の強い国家や多国籍企業が優位になる傾向がみられ、市場競争が加熱して貧富の差が拡大しているからです。また、開発途上国では国内産業が多国籍企業に支配されることで、国内の経済バランスが崩れ、多くが輸出のための作物を作らざるを得ない状況が起きるなど、国家の主権すら侵害される状況が起きています。

このように、近年の世界経済が、経済力のある一部の先進国や巨大企業の都合によって、政治や法律までもがコントロールされてしまう状況に大きな反発が起こっています。もちろんグローバリズムがすべて悪いという訳ではなく、ある商品を流通させようとしたとき、国ごとに違う法的な基準などを、流通がスムーズに行われるよう問題を解決する事などもあります。しかし貿易問題に繋がる場合が多く、日本のケースで言えば、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)などの経済連携協定で、外国の安い農産物を輸入することにより自国の農産物が売れなくなり、農家の収入が減り、長期にわたる場合、食料自給率の低下を招くことになります。これが米であった場合はさらに深刻です。種子法が廃止されたことで、将来的に外国産の遺伝子組み換え米が大量に輸入されれば、国民は他に選択肢がなくなることになります。

さて、グローバリズムのメリットとデメリットを述べましたが、次に少し視点を変えてみましょう。
このところ電気料金の値上げが続いていますが、かなりの値上げ率に驚かれた人も多いでしょう。主な原因としては資源の高騰が挙げられますね。日本は石油や天然ガスを輸入に頼っていますが、今の状況に対してエネルギー自給のためにも原発を再稼働すべしという論調が見られます。原発を再稼働すれば、発電コストが下がり電気代は下がるのだから再稼働するのが現実的であり、原発反対論者のせいで電気代が上がってしまったかのような極端な意見も聞きます。

しかし私はそれらに対し、あくまで経済的視点を中心とした議論になっていると捉えています。
エネルギー問題には様々な要素が含まれます。まず、資源の高騰にはロシアとウクライナの戦争が大きく関係します。また国内で再生可能エネルギーが普及しない理由に、大手電力会社が送電線利用を制限したことや既得権益が大きく、再生可能エネルギー産業が育ちにくい環境にあると言えます。さらには、原発の老朽化への安全面でのコストや、排出される核のゴミの処分方法、半永久的な管理費用などをまったく考慮されずに議論されています。

このように原発の問題ひとつとっても、地球規模の永続的視点で議論しないと本当に大切な発電方法は何かが見えてきません。何よりもっとグローバルな視点に立てば、戦争や政治的な障壁に左右されずに、エネルギー資源を安く安全に調達できる国際的な仕組みや、より安全な再生可能エネルギー技術を各国で共有、研究できる取り組みを構築することが必要でしょう。

これからは、本当の意味での地球主義に基づいた視点、つまり真のグローバリズムで物事を公平に見る必要があります。国境や民族や言葉の壁を越えて協力関係を築くことが、私たちが未来の世代に残せる大切な財産になると思います。


大類 久隆
ナチュラル・ハーモニーの商品部担当。
とにかく何でも調べるのが大好きです。
自称、社内一の食品オタク。
食べることも忘れて日夜奮闘中……?


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