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ライフジャーナル(大類久隆)

分断を越えるとき【前編】

2022.09.06

ハーモニックライフ(調和する生き方)という観点から、ナチュラル・ハーモニーの商品部スタッフ、大類(おおるい)が世の中について考察するライフジャーナル。
今回は、分断された世の中に見る時代背景や、激動、変化の先に見えてくる新たな生き方について前後編に渡り考察してみました。


分断を越えるとき【前編】

混迷を深めるときほど大切なこと
分断から統合の時代へ

世の中が揺れ動いていますね。世界に目を向けると絶え間なく続く戦争や紛争、解決の糸口も見えない民族間の争い。
国内でも元首相経験者が銃撃され死亡する事件をきっかけに、一宗教団体が日本の政治にあまりにも深く関わってきたことが、明るみになっています。もちろん起きている事は、これだけではなく、不安定な要素をすべて書いていたらキリがないくらいでしょう。

今回は、その物事のひとつひとつに焦点を当てるのではなく、できるだけ起きていることを客観的に捉えて、より象徴的な側面を解説してみます。
例えば国同士の争いにしても民族同士の争いにしてもそこに至る歴史的背景や原因が必ずあります。そして、どれほど複雑に絡み合った関係性でも必ず発端となる「悪化させる条件」が存在しています。

では、国同士の争いといま日本で起きている宗教団体による政治への必要以上の干渉に共通点があるのかですが、これも広く見れば同じ条件の中あると言って良いと思います。

一宗教団体がなぜ政治的な介入をするのか不思議に思う人も多いでしょう。しかし、そもそも歴史的に宗教は、というより宗教活動は極めて政治的な動きをしてきました。
つまり最初から宗教と政治は親和性が高いのです。表向き政教分離といっている日本の政治体制ですが、ある思想や信念を広めるための活動のやり方というものが、似ているというのが前提にあります。

その上である宗教団体が、ある目的を強力に推し進めようとすれば、当然政治に介入するのが、最も合理的と考えるでしょう。
問題は目的としていることが、ある特定の思想を排除することであったとするならば、結果的に大きな争いや対立関係を作り出すことになります。事実、歴史上ある国を植民地化するとき、現地の宗教を宗主国の宗教に強引に改宗させ思想教育させることがあります。
これにより、ある意味受け入れた国民と受け入れない国民に分断することができ、国全体を改宗できれば、植民地化したことを正当化することにもなり、隣国との関係性に見えない壁を作り出すことも可能です。

つまり特定の宗教が、最初から意図的に国民の考え方や習慣を長期にわたって変えさせる手段に使われるのです。今回日本に起きていることは、これに近い可能性があります。さらにその宗教団体の別動隊として反共産主義的な政治団体があることで、よりその目的が明確に見えてきます。

この団体の詳細の成り立ちは省くとしても、広範囲に各国でロビー活動をはじめ資金源を得ていたという報道もあります。当然利害の一致する組織や政治家も協力関係にあり、結果的に国家や国民を分断させる手段として働いている側面もみられることから、超国家的な政治戦略を持っているという見方もできます。

「分断することが政治戦略」とは意味が分からないかも知れません。あくまで大きな流れとして捉えればですが、政治的なイデオロギーとして資本主義対共産主義という対立構造が当たり前のように言われていますが、これも巨大な分断統治のひとつです。

このように世界を二分化しておくことが、最も都合が良く利益を得る組織や企業があるということですが、この辺の構造の話しは別の機会に譲りたいと思います。

歴史上で宗教は常に政治を利用し、政治も宗教を利用してきました。ただ現代はより複雑な状況にあり、今回日本で起きた問題は、ひとつの側面でしかなく大きな流れの背景と意図を理解することが大切です。そうすると日本の政治が、一宗教団体に関わらざるを得なかった圧力が存在していたことが見えてきます。

世界中が様々な分断を経験しており影響を受けない国はなかったと言えるでしょう。人類はこれから政治的な分断だけではなく心の分断も越えていかなければなりません。
分断と分離の中に留まるか、自由で解放された人生を生きるかは、情報の取捨選択と正しい歴史認識、そして自然にもっと耳を傾けることですね。

> 続きはこちら 「分断を越えるとき」【後編】


文:類 久隆
ナチュラル・ハーモニーの商品部担当。
とにかく何でも調べるのが大好きです。
自称、社内一の食品オタク。
食べることも忘れて日夜奮闘中……?

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