ハーモニックライフ(調和する生き方)という観点から、ナチュラル・ハーモニーの商品部スタッフ、大類(おおるい)が世の中について考察するライフジャーナル。
今回は、若者の価値観の変化、そしてそれに伴う日本の未来について考えてみたいと思います。

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
2025年を振り返って最も印象に残ったのは、7月にあった参議院議員選挙でした。この選挙では、与党が過半数を維持するのに苦心する局面も見られましたが、この参院選の大きな特徴は、一昨年の衆院選と比べても19歳〜39歳の若い世代の投票率に上昇の兆しがあったことです。これは、既存メディアよりSNSが若い世代に影響を与えたことと、現役世代の負担軽減を訴えるなど、その影響力を上手に使った政党が、前向きな政策を打ち出したことで、躍進につながったと言えます。

政治離れから主体的な行動へ
世代を一括りに論じることへの違和感は十分に理解しつつ、 それでもなお、年長者の立場から見て感じる変化について、今回はあえて触れてみたいと思います。
世間では、若年層の傾向として「若者の〇〇離れ」や「内向き志向」といった、ネガティブな表現を耳にすることがあります。しかし、最近の若者が示す価値観の変化、特に参院選における投票率の上昇や、多様な働き方や生き方の選択といった具体的な行動を見ると、そこには決して後ろ向きでない、むしろ希望に満ちた未来への確かな兆しが見えてきます。
かつて「政治に無関心」と言われた若者たちですが、2025年に18歳前後を対象に行われた日本財団による意識調査では、社会課題に対して、約半数が「自分事として捉えている」あるいは「解決のために行動したい」という意向を示しています。しかも、「経済政策」や「気候変動対策」といった、自分たちの将来に直結する切実なテーマに関心が高く、現実的な視点で政治を捉えていることがうかがえます。これは、無関心どころか、むしろ未来への強い危機感と、それを解決したいという責任感の表れではないでしょうか。若者は、自分たちの生活を守り、より良い未来を実現するために、政治というツールを主体的に活用し始めていると言えます。

モノからコト、そして社会貢献へ
また、複数の企業が行った調査では、若者の消費行動にも大きな変化が見られるという報告があります。それらの報告からは、単なるモノの所有に価値を見出すよりも、体験や経験、そしてその商品やサービスが持つ「意味」や「ストーリー」に価値を見出す傾向が広がっていることが伝えられています。
特に象徴的なのが、環境問題やエシカルな消費への関心が、若い世代ほど強く見られる点です。環境問題や社会課題の解決に貢献したいという意識を持ち、企業の理念や社会貢献活動に共感できるかどうかを購買行動の重要な判断基準とする傾向も、他の世代と比較して高くあります。これは単なるトレンドではなく、若者の一定数が、自分たちの消費行動を通じて社会にポジティブな影響を与えようとしていることを表しています。

働き方に対する若者の価値観の変化は、さまざまな調査で明確に示されています。「終身雇用」や「出世競争」といった従来のキャリアモデルに縛られず、ワークライフバランスや自分らしさを重視する傾向は、内閣府や労働政策研究機関の調査でも顕著です。
また、本業を持ちながら、興味のある分野で副業やNPO活動に参加するパラレルキャリアや、都市で働きながら週末は地方で過ごすデュアルライフなど、リモートワークの普及によって実現可能になった働き方も広がっています。総務省や国土交通省の調査でも、こうした新しい働き方への若年層の関心は高いことが指摘されています。
彼らは一つの職場や役割に縛られるのではなく、複数の活動を通じてスキルを磨き、自分にとって意味のある働き方を追求しています。これは単に「楽をしたい」ということより、何を大切に生きるのかを主体的に考え、人生を築こうとする自立心に基づくものと考えられます。多様な働き方が広がる社会は、個人の能力や個性が発揮されやすくなり、結果として大きな創造性や価値の創出につながると考えられます。

希望に満ちた未来へ
これらの変化は、若者たちが「社会を諦めている」のではなく、むしろ「自分たちの手でより良い社会を築ける」と信じていることの証拠です。彼らは、目の前の課題に対して現実的に向き合い、デジタルネイティブ世代ならではの情報収集力と柔軟な発想で、新しい解決策を模索しています。多様性を受け入れ、社会課題に真剣に向き合い、自分らしい生き方を主体的に選択する。こうした若者たちの価値観は、閉塞感漂う日本社会に新しい風を吹き込み、持続可能で豊かな未来を築くための原動力となるでしょう。
もちろん、価値観や生き方の変化は若者に限ったものではなく、他の世代にも見られる傾向です。そして、未来を変えるために最も大切なことは、誰かが変えてくれることを待つのではなく、「いまを主体的に生きること」です。ぜひ、これを今年のテーマにしてみませんか?
「The future depends on what you do today.」(未来は『今』あなたが何を為すかによって決まる):マハトマ・ガンジー
■参考資料:
・総務省 年代別投票率資料
・日本財団 第69回18歳意識調査「環境」調査報告書、第70回18歳意識調査「政治・経済」調査報告書
・内閣府「子ども・若者白書」
・博報堂若者研究所HP
・独立行政法人 労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書」
・EDUCATION NEXT「意義のあるキャリアを追求する若者の傾向」
・ノーザンライツ【Z世代の特徴】「仕事に対する価値観〜20代筆者が紐解く〜」
・TABI LABO「VUCA社会を切り抜ける武器。 Z世代が牽引するパラレルワークの可能性」
・Rakuten infoseek「近年、若者層に人気のデュアルライフとは? 魅力と成功するポイントを紹介」
・HCTトレーラーハウス「今注目のデュアルライフ(二拠点生活)とは?注目される理由や魅力を紹介」
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