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「天然菌」の発酵食、知ってますか? Part1

2025.11.30

じつは希少な「天然菌」の発酵食 知ってますか?

わたしたちの食卓になじみ深い発酵食品。
一方で「菌」についてはあまり気にかけたことがない方も多いのではないでしょうか。
今回は、実はとても珍しい「天然菌」の魅力についてご紹介します。

part1 / part2 / part3

 

 

菌がはぐくむ豊かな世界

お味噌汁や納豆にお漬け物、パンやヨーグルトにチーズ、醤油やお酢などの調味料、そしてお酒…。
発酵のちからで新しい食材に姿を変え、日々の食事を豊かにしてくれる発酵食品は、古来より私たちの暮らしに欠かせない存在です。空気中にただよう菌が生み出す「発酵」という働きは、まさに自然のハーモニー。麹菌や乳酸菌、酵母などのさざまな微生物たち、そして酵素が、食材にあわせて役割を担い活動します。

発酵食品は体に良い、長寿に良い、美容に良いなどの情報から、積極的に食事に摂り入れる方が多いと思いますが、そんな発酵食品が実際どんな菌でつくられているのか?今回は「 菌」にフォーカスを当ててお伝えします。

 

 

そもそも発酵とは?

 

酵素のおいしい働き

発酵とは、「菌などの人間の目に見えない小さな微生物や酵素が、食材に含まれる糖やタンパク質を分解して、アルコールや旨み成分などの別の物質を生み出す働き」のこと。そして、お酒やヨーグルト、味噌やパンなど、その働きによって生まれる食材を「発酵食品」と呼びます。「発酵」は、自然に食材の旨みや保存性を高めてくれるため、わたしたちの食生活を豊かにしてくれる存在です。

発酵とよく似た現象に「腐敗」があります。化学的には両者のメカニズムは同じであり、腐敗は「人に害のある物質に変化すること」を指します。つまり、発酵と腐敗の違いは「人体に害があるかどうか」だけなのです。

発酵の対象となる食材はさまざま。微生物は、食材の状態に合わせて働きかけ、時間をかけてゆっ くりと変化を起こします。その過程で、アミノ酸や糖などのさまざまな成分が複雑に絡み合い、口に含んだ時に奥深い旨みを感じる発酵食品が生まれます。自然本来の発酵食品は、自然のペースでじっくり時間をかけながら、複数の菌や酵素が複合的に作用します。仕上がりは時期や環境、食材の状態によって異なるため、まさに自然の変化を楽しめる食材です。

発酵文化は世界各地で異なり、風土によって生息する菌の種類は変わってきます。日本では麹菌が「国菌」とされ、味噌や醤油などの麹菌を主体とした発酵食品が豊富に存在しています。

 

 

天然菌って何モノ?

 

純粋培養菌が一般的

発酵食品に使われる菌は、自然の菌「天然菌」と思われがちですが、実際は「純粋培養菌」が主流です。これは自然界に存在する菌の中から特定の菌を分離・培養した単一菌で、各製造元は種菌メーカーから都度購入して使用します。目的は、発酵という自然現象を確実かつ安定的にコントロールし、原料の品質にかかわらず同じ味を再現して大量生産するため。さらに、販売側の意図や消費者のニ ーズに合わせて食感や風味を調整できるよう、菌を操作することも。

このような菌の働きは単調で旨みが弱いため、ほとんどの場合、調味料や添加物で味を補います。「純粋培養菌」と「天然菌」の例として、パンづくりで使う「ドライイースト」と「天然酵母」が分かりやすいでしょう。実は伝統的な蔵元でも、純粋培養菌を使うのが一般的です。

 

天然菌の発酵食は超希少

天然醸造を行う蔵元では、発酵過程で働く乳酸菌や酵母などは蔵に棲む天然菌である場合もあります。ですが、麹づくりの元となる種麹は、純粋培養菌を使うのが当たり前の世界。かつては蔵付きの「天然菌」を自家採取する発酵食品が存在していましたが、明治時代に純粋培養技術が導入され、効率重視の業界に移り変わりました。その過程で、天然菌による醸造は失敗やリスクの高さから敬遠されるようになり、時代とともに天然菌の発酵食品は姿を消しました。しかし、今からおよそ二十五年前、蔵で採取した麹菌と自然栽培のお米を使って味噌が作られたことで、天然菌醸造が復活しました。

自然栽培は、肥料や農薬など本来その場にないものを加えない農作物の栽培法です。肥料など人為的な成分を含まない自然栽培の食材は、自然の菌との相性が非常に良く、天然菌の働きをスムーズに発揮させることができますが、その生産量は多くありません。また、天然菌醸造を実践する人もまだ僅かで、天然菌の発酵食品は極めて希少な存在です。

Next→「天然菌の発酵食 つくり手紹介」

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