【スタッフブログ】あらためて醗酵と腐敗について考えます⑤ | ナチュラル・ハーモニー
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宅配より

宅配より

【スタッフブログ】あらためて醗酵と腐敗について考えます⑤

2020.08.22

こんにちは。
ナチュラル・ハーモニーの宅配 石川です。

醗酵と腐敗についての記事5回目です。
前回に引き続き天然菌、自然栽培原料使用の
醗酵食品を紹介してまいります。

最終回なので目次をつくっておきます。

①醗酵と腐敗の違いと、醗酵しやすいものについて

②腐敗しやすいものと、人間と共生する微生物について

③純粋培養菌と遺伝子操作菌について

④天然菌の復活と、天然菌で醸した味噌と醤油と白醤油

⑤天然菌で醸した日本酒とお酢と納豆 ←本記事です

○寺田本家の天然酒
天然酒 720ml
天然酒は自然醗酵で醸造された昔ながらの日本酒です。

日本酒も市販のものは基本的に人工的に純粋培養された
菌を使用しています。

自家酵母を使っているとうたって販売している日本酒でさえも
蔵に生息している菌を人工的に純粋培養している場合が
ほとんどのようです。

この方法だと結局蔵に住む菌の一種類だけを抜き出して
化学物質などを使って培養するわけですから、
蔵付きの酵母菌を使用しているとはいえ多種多様の菌が
織りなす複雑な旨みは得られません。

さてここからはざっくりとした日本酒のつくりかたとともに、
一般のお酒と寺田本家さんのお酒の違いを解説して
まいりたいと思います。

日本酒づくりはまず米麹づくりから始まります。
蒸したお米に種麹(麹菌を粉にしたもの)を
つけるとお米に麹菌が繁殖して米麹ができます。

寺田本家さんで使っている麹菌は、最初は
MM菌でしたが、その後しばらく自社の田んぼで
取った稲麹から米麹をつくり出していました。

そして現在では稲麹も使わず酒蔵に生息している
空気中の麹菌を自家採種することに成功しています。

寺田本家さんでは麹を採取する際に「蒸した玄米に
椿灰をまぶしたもの」を使用しています。

話を戻しまして、このできた米麹と蒸したお米を混ぜると、
麹菌がお米を分解して甘酒のように甘くなって
いきますが、これを糖化(とうか)と言います。

この麹菌の活動によって糖化して生まれた
甘い成分であるは、酵母菌のエサになります。

酵母菌は糖をアルコールに分解してくれる、
日本酒をつくるために必須の菌で、一般的には
純粋培養菌を使用しますが、寺田本家さんでは
もちろん蔵に住む天然酵母のみを使用しています。

この、麹菌(米麹)酵母菌蒸した米
混ざった日本酒の元となるものを酒母(しゅぼ)、
もしくは酒酛(しゅもと)といいます。
まずはこれをつくることが日本酒づくりの基本です。

この酒母をつくるとき、酵母が糖を食べはじめる
(分解しはじめる)前に乳酸菌が活発になります。

乳酸菌は酵母菌と違い、
糖を分解して乳酸をつくり出します。

乳酸菌は空気中に漂っているのですが、
糖を見つけるとそこで活動し始めます。

乳酸菌が活発になり乳酸が増えると酒母の酸性が強くなり、
これによって酵母菌以外の菌が繁殖しにくい状況を
つくり出してくれます。

ちなみに乳酸菌は自らがつくり出した乳酸により
死滅してしまうため、酵母が食べるための糖を
食べつくしてしまうことは無いそうです。
摩訶不思議な自然の仕組みですね。

ただ、この乳酸が空気中から酒母に移り、
自然に活動し始めるのを待っていると、
お酒をができるまでに1か月ほどかかります。

そのため乳酸菌の活動を待たず、乳酸を直接加えて
2週間ほどでつくる速醸法が生み出されました。
※乳酸を加えるのではなく、乳酸菌がつくり出す
 乳酸を直接加えます。

「きもと(生酛)づくり」という言葉を聞いたことが
ある方も多いと思いますが、乳酸を添加せず、
乳酸菌が自然に働きだすのを待つ醸造法のことを言います。

ただ、空気中の乳酸菌が酒母につくのを待たず、
人間の手で乳酸菌を入れた場合も「きもとづくり」と
呼ばれますので注意です。この乳酸菌には純粋培養菌が
使われます。

言うまでもありませんが寺田本家さんは空気中の
乳酸菌の働きによって日本酒をつくっています。

またよく日本酒のことを話すときに、
純米酒や吟醸酒などといった言葉を
聞くことがあると思いますが、
それについても述べておきます。

まず純米酒についてですが、ざっくりいうと
水だけでつくられたお酒のことです。

もし純米酒と書いていなければ醸造アルコール
添加されたお酒になります。

醸造アルコールとは、主に砂糖をつくるときに使われた
サトウキビの搾りかす(廃糖蜜)を原料としていて、
それを純粋培養の酵母菌で醗酵させてアルコールをつくり、
さらに蒸溜して限りなくアルコールの純度を高めた
アルコールそのものと言ってもいいような液体です。

次に吟醸酒や大吟醸酒についてですが、
これは精米歩合(せいまいぶあい)によって分けられます。

精米していない玄米が精米歩合100%です。

普通に食べる白米は大体92%です。
(玄米を8%削ったものです)

吟醸酒は60%以下で、
さらに大吟醸は50%以下です。

大吟醸の場合は半分以上お米を削ってしまうわけですね。
もったないような気がします。

削れば削るほど味にクセがなくなりすっきりしますが、
旨みも減っていきます。

ちなみにナチュラル・ハーモニーで販売している
天然酒は精米歩合91%になります。
酸みもありますが旨みの豊かなとっても美味しい
お酒となっております。

日本酒については書くことが思いのほか多く
長くなってしまいましたが、日本酒が、
そして天然酒がどのようなお酒かが何となく
わかっていただければうれしく思います。

最後に去年寺田本家さんでPUKUをつくる様子を紹介する
記事がアップされていたので、リンクを張っておきます。

お米の醗酵ドリンク「PUKU-プク-」の製造現場、寺田本家に伺いました!

PUKUは甘酒と同じ製法でつくりますが、途中までは日本酒とつくりかたが同じです。
※PUKUは蒸した米を米麹で糖化させて甘酒にしてから、
 乳酸菌に活動をさせて酸みを出したところで止めたものです。
 酵母は活動していないのでアルコール醗酵はしていません。

この記事では蒸した米をダイナミックに広げていく動画も見られるので
ぜひぜひご覧ください。

○庄分酢のお酢

ナチュラル・ハーモニーの甕仕込み純米酢 500ml

お酢の原料は、実はなんと日本酒です。
日本酒は酵母の活動によってアルコール醗酵を起こして完成!
となりますが、お酢はさらにもう一歩分解を進めます。

お酒をお酢に変えるのに必要な菌は酢酸菌(さくさんきん)です。
この酢酸菌がアルコールを食べて酢酸に分解していくわけです。
ちなみに人体の中でもお酒を飲んだときは酢酸分解されます。

飲むための日本酒は15%前後のアルコール度数である
ことが多いですが、酢酸菌が最も活発に活動するのは
アルコール度数が5%程度のときになります。

庄分酢でつくっていただいている「甕仕込みの純米酢」は
甕(かめ)に自然栽培の蒸し米、マルカワ味噌の米麹、
地下水を入れて、蔵付きの天然酵母がアルコール醗酵を
起こすのを待ちます(酒づくりの段階)。

そして2、3週間後にアルコール度数が5%ほどに
なったのを職人さんが長年の勘で見極めるそうです。
この際に測定機器などは使用しません。

おそらく酸度だけでなく、においや醗酵の状態なども
含めた様々な要素を確認しているのではないかと思います。

そして職人さんのお眼鏡にかないましたら、
いよいよ「300年」の歴史を誇る庄分酢さんで
代々受け継がれてきた酢酸菌膜を液面に浮かべ入れます。

ナチュラル・ハーモニーに出会う前の庄分酢では、
麹菌と酵母菌は市販の純粋培養菌を使用していました。

しかし酢酸菌だけは甕ごとに個性ある天然の酢酸菌を
受け継いできていました。

この酢酸菌が甕仕込みの純米酢が持つ芳醇な
風味を生み出す元と言えるかもしれません。

この酢酸菌膜は数日で液面全体を覆いつくし、
その下ではアルコール醗酵を継続しつつも酢酸醗酵が進み、
そこから約2か月の時間をかけて完成します。

お酢を昔ながらの製法でつくるとトータルで3か月~6か月程の
時間を要するのです。

このように静かに時間をかけて醗酵させる方法を
静置発酵(せいちはっこう)と言います。

ただ企業で大量生産して儲けたいのにこんなことやって
いられないと思ったのかどうかは定かではありませんが、
やはりお酢でも速醸法があります。

速醸法の場合は日本酒を入れたタンクに空気を送り込み、
さらにプロペラなどで撹拌して、日本酒のアルコールを
酢酸菌がお酢にする酢酸醗酵を促し数時間で急速に
醗酵させます。

また麹菌はお米などのでんぷんを分解するときに、
大きすぎて直接は分解できない(食べられない)ので、
酵素というものを出してでんぷんをある程度分解(糖化)
してから食べるのですが(麹菌にとってのナイフやフォーク)、
米麹を使わずこの酵素を直接入れて蒸し米を糖化させて
いるメーカーもあります。

さらにこのでんぷん分解酵素は遺伝子操作された
微生物からつくられている場合もあります。

速醸法でサクッとつくられたお酢をなめた後に、
時間や手数をかけてつくられたナチュラル・ハーモニーの
甕仕込みの純米酢をなめると、味の深みや旨みの違いに
びっくりすることうけ合いです。

○フクダのわら納豆

【最短日でのお届け】天然わら納豆 大粒 300g

納豆と言えば今はプラスチック容器に入ったものがスーパーで
売られているのが普通ですが、本来はわらで包んで、そのわらに
住んでいる納豆菌が蒸した大豆やゆでた大豆に移って
繁殖して完成します。

市販でもわらに入った納豆が売られていることもありますが、
単に容器として使われているだけで、純粋培養菌からつくられた
パックの納豆と何ら変わりありません。

市販でオートメーション化された工場でつくられる納豆は
1日に何万個も製造されています。

しかしフクダさんのわら納豆は約5日間の醗酵、熟成期間を
経て完成します。もちろん菌はわらに住む天然の納豆菌です。
大豆はもちろん自然栽培大豆を使用しています。

伝統的な方法でわら納豆をつくる場合は、本来冬の時期に
しかできず、夏の場合は別の菌が繁殖して腐ってしまう
そうですが、フクダさんでは年間を通して安定して納豆が
つくれる温度管理法を確立できたため、今では1年中本来の
納豆の味を楽しむことができます。

フクダさんは栃木県にあります。
わら納豆は栃木の農家で親から子、子から孫へ代々
受け継がれてきた伝統的なもので、冬の農閑期に
自分たちで食べる分を自家用につくっていたものだそうです。

しかし今では納豆をつくる農家もほとんどいなくなって
しまった中、それでも納豆づくりを続けている農家さんに
フクダさんが伝授していただいた製法でつくられています。

今では温度を一定に保つ機械なども多く、
家庭でも納豆をつくることができるようになりましたが、
フクダさんの納豆はそういった納豆とは違い、
本当に昔から受け継がれてきた伝統的な製法で
つくられているのが本当にすごいところです。

とはいえお家で納豆をつくってみたいという方も
いらっしゃると思います。

私も以前家でヨーグルトメーカーを使って納豆を
つくってみたことがあります(見事に失敗しましたが)。

ここでナチュラル・ハーモニーの食材や調味料、
自然栽培のお野菜をふんだんに使った料理を提供くださる
千葉県大多喜町のお食事処「蔵精(くらしょう)」の
店主さんから聞いた納豆づくりのコツを公開したいと思います。

蔵精さんのHPはこちら↓
http://kurashow.com/

①使用するわらは乾燥しきっていない、
 清潔なちょっと緑がかったわらがよい。

②豆を乾燥させないようにある程度の水分が必要。

③温度は45℃~50℃が適温。

④適度に空気が入る必要がある。だからわらがよい。
※納豆菌は枯草菌の一種で、枯葉など
 にも住みついています。

ぜひこれを参考に家庭での納豆づくり、
試してみると面白いかもしれません。

以上で醗酵と腐敗についての記事は終了となります。

今回と前回は昔ながらの製法でつくられた醗酵食品と、
工業的に現代的な方法でつくられた食品とを対比して
紹介してまいりました。

こうやって見比べてみると市販の醗酵(?)食品が
いかに自然とはかけ離れた人間本位な方法でつくられた
ものであるかが分かると思います。

菌という生命に対してここまでできるのかという恐ろしさ、
無機質な心を持つ人間の闇さえ感じられます。

以前に生産者の山田憲吾さんとお話をしていたときに、
「速さは腐敗だと思う」とおっしゃっていたのが
とても印象的でした。

現代は食品製造にしても、なんでもかんでも
利益や効率や速さを重視する世の中になっていますが、
果たしてそれでいいのでしょうか。

近頃は異常気象や自然災害が普通のことになってきています。
今年の夏も酷暑続きです。

コロナ騒ぎも一向に収まる気配はありません。

どれもこれも人々の不自然な行いによってもたらされた
身から出たサビのようなものです。

こういった事象を目の当たりにしていると、
人間は本来どのように生きていくべきなのかを
考えてしまいます。

日本であれば田畑を耕し、山で山菜を採ったり、
鳥獣を狩ったり、川や海では魚をとり、
雪の降る地域であれば冬を越すために醗酵食品や
干物などの保存食をつくる。

今ほとんどの日本人はこんなことはしませんが、
こういったことが人の本来の営みだったのでは
ないかと思います。

このような自然との対峙や触れ合いの中で、
自然への感謝や畏怖が生まれてくるものです。

生きる喜びとはなんなのかを見直すべき時期です。
人間はこのまま進むか、本来の生き方に立ち返るかの
岐路に立たされているのだと感じます。

○いますぐ注文したい方はこちら(宅配会員様専用)  
 https://naturalharmony.info/login/

○いますぐ注文したい方はこちら(宅配会員様以外)
 https://www.mai-rice.com/

ナチュラル・ハーモニーの宅配 石川 裕貴

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