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ライフジャーナル(大類久隆)

常識をもう一度疑ってみよう!

2022.07.15

ハーモニックライフ(調和する生き方)という観点から、ナチュラル・ハーモニーの商品部スタッフ、大類(おおるい)が世の中について考察するライフジャーナル。
今回は、わたしたしの常識の脆弱性について考えていきます。


常識をもう一度疑ってみよう!

当たり前でしょ、が思考を止める?
人類の存続に関わる大事なこと

皆が口には出さなくても「そんな事は当たり前、常識でしょ!」という事がこの世にはたくさん存在します。あまりにも当たり前過ぎて疑うことすらしないのですが、今回は常識と考えていることがいかに曖昧な事を信じ込まされているかを書いていきます。

最初の話題ですが、しばらく前にその常識を覆すようなニュースが流れました。実はダーウィンの進化論がひっくり返る可能性があるという話題です。私達が学校で習ってきた教科書には、生物はとても長い時間をかけて遺伝的な多様性を育み進化してきたというのが定説でした。しかし、アメリカの科学雑誌に掲載された内容によると、米政府の遺伝子データベースに蓄積された10万種という世界中の動物から採取した500万個の遺伝子マーカーを調べたところ、驚くべき結果が出されたのです。

それは、今日地球上に生息する生物種のうち、ヒトを含む全体の9割が20万年前~10万年前に出現したことが明らかになったことです。つまり地球に生息するヒトを含む9割の動物種はほぼ同時期に一斉に発生したことになります。

もしこれが事実であれば教科書で習ってきた地球の歴史上、数十億年かけて植物から始まり単細胞生物が発生して進化を遂げ、やがて動物種が発生したという進化の繋がりが消えるということです。少なくとも20万年以前に存在していた生物と我々ヒトは関係なく、そのような進化はなかったことになります。

この研究結果はかなり衝撃的ですが、信憑性もあり今後の研究の継続に注目したいところです。動物もヒトもほとんど進化していないとも考えられますね。では、我々はいったいどこからやってきたのでしょうか。逆に謎が深まります。このニュースは日本でほとんど報道されていなかったようですが、あまりにも常識からかけ離れていたため多くの報道関係者も受け入れられずに困惑しているのかもしれません。

さて、ここからが本題になりますが、お金が発明される前は物々交換を行っていたというのが経済学の定説になっています。ここでいう物々交換とは、お互いの持っている同じ価値であるとみなされる物を交換すること。やがてそれが発展してお金が発明された、というのが常識になっていますが、実はそのような事実はないという説が人類学者の間で指摘されています。

結論から言うと、そもそも古代の人間には価値の交換をして取り引きするという概念がなかったというのが理由です。なぜかと言うと物を「所有」しているという概念がないため、他の部族や人が欲している物があれば可能な限り「与えた」というのが正解ではないかということです。少なくとも「貸し借り」がありそれを貝殻や石に記録することがありましたが、それを現代のお金の始まりというのが間違いなのではないでしょうか。私はこの説が正しくとても重要な発見だと感じています。

実は現代の主流経済学というのはすべて「何かを所有」して「取引」や「価値の交換」をすることで利益を得ることが、人間の本質的行動であるかのような錯覚から始まっているということです。だからそのようなことを意図した物々交換など地球上どこにも存在していなかったという人類学者の指摘は正しいと思います。

これがなぜ重要かというと、現代では当たり前にお金によって様々なサービスやものを購入します。当然ですが、すべてがお金によって価値が計られ値段が付けられます。逆に言えば値段が付けられれば合法であれ非合法であれ何でも取引できるということです。そしてこの「取引」には、必ず「損得」の感情も付きまといます。買って損した、売って得した、ということは良く聞くことですが、経済学ではその感情も古代から人間に備わっており、経済活動が成り立つという根拠になっています。果たして人間は本来そういう生き物なのでしょうか?

ここからぜひ常識的な頭を一度空にして考えてもらいたいのですが、古代人や先住民族の間では、自然やそこから生み出されたものの価値をはかるという考え方がありません。なぜなら自然そのものに価値があり、人間の都合による狭い価値観など持ち合わせていないのです。しかし近代の経済の枠組みでは、自然は無価値だと捉えています。自然界のあらゆる資源には価値はなく、人間が介入してお金に変えることで初めて価値が生まれると考えます。この常識は、すべてのものの価値をお金によって換算し売買して所有権を移動しているだけに過ぎず、明らかに古代人や先住民族の価値観とは異なります。

私たちは様々な常識と言われる考え方や習慣の中で生活しています。それは親から教えられたことや学校で学んだことかも知れません。でも正しいと信じてきたことの中には根拠が曖昧で真実から遠ざけられてしまっているものも多いのです。

今、自然が人間の価値をはかっているのかも知れません。長い間、人間の勝手な都合と解釈で自然を所有したと思い込み、経済活動の名のもとに資源を奪ってきました。最初の話題では遺伝的にヒトはほとんど進化していないことになりますが、これから人間は地球上の存続を許されるのでしょうか。存続するには世間の常識と言われている事をもう一度徹底的に疑って見るべきだと思います。


【参考資料】
『DNAバーコード大規模解析、進化の新事実が浮き彫りに』 AFP通信
『負債論貨幣と暴力の5000年』 デヴィッド・グレーバー著


大類 久隆
ナチュラル・ハーモニーの商品部担当。
とにかく何でも調べるのが大好きです。
自称、社内一の食品オタク。
食べることも忘れて日夜奮闘中……?


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