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ライフジャーナル(大類久隆)

私たちが目指している世界

2019.01.02

ハーモニックライフ(調和する生き方)という観点から、ナチュラル・ハーモニーの商品部スタッフ、大類(おおるい)が世の中について考察するライフジャーナル。
2019年最初の今回は、わたしたち「ナチュラル・ハーモニー」という会社が何を目指して活動しているかについて、改めてまとめてみました。


ナチュラル・ハーモニーが描く未来は?
これからが本当の変化の始まり

明けましておめでとうございます!

皆さまにとって、2018年はどのような1年だったでしょうか? 振り返ってみると、世間では色んな出来事がありましたね。ますます極端になる自然環境の変動、相変わらずの政治や経済の不安定な状況、そして後を絶たない悲惨な事件や事故など、思い返すとあまり良いニュースはなかった印象です。今年こそは良い年になって欲しいと願っている人も多いことでしょう。そして2019年はどのような年になるでしょうか。

誰でも将来の自分や家族の姿を描いて夢見ることがあります。堅実な将来設計をしっかりしているという人もいれば、感性で自由に生きている人もいるでしょう。それぞれの人生があって良いと思います。「なかなか思い通りにいかないことばかり」「思わぬ出来事があって人生が激変した」「どんなことがあれど、明るい将来を夢見ている」。色んな声が聞こえてきそうですね。

さて、私たちナチュラル・ハーモニーにも目指している理想の社会や未来のビジョンがあります。これは単純にビジネスを成功させる目標のようなものではありません。一企業としてはとても異質なものかもしれませんが、普遍的な理念として位置づけています。

私たちは、長年のあいだ自然食を中心に、自然の摂理に沿った生き方を提案してきました。ここまでの一貫した姿勢の中で、「自然との調和」を最も強く訴えてきました。

そうです。ナチュラル・ハーモニーの会社名そのままです。あまりに単純な言葉であるし、ある意味「自然」や「調和」という言葉自体が、現代ではありふれた言葉に成り下がってしまっているかもしれません。

しかしどんなに科学技術が進歩しようとも、人間が自然から離れることは絶対にできないこと。そして、調和こそがあらゆる社会問題の解決の鍵になること。未来がどれほど不確実な世界と言われようとも、これだけは間違いないことだと確信しています。

では自然との調和という基本的理念から、私たちが目指している理想の未来とはどのような社会でしょうか。

「自然」と「調和」の意味

その前に、私たちが理解する自然との調和という言葉の意味を、改めて説明しておきたいと思います。少々哲学的ですが、とても大切な部分なのでお付き合いください。

自然とはありのままの世界とよく表現されますが、それは私たち人間を含むすべての生命を育むことができ、自らがありのままでいられる状態と考えています。つまり変化し移り変わりながら、ありのままであるということは、狂いのない完全なバランスのもとに成り立っているということです。

もう少し踏み込んで言えば、バランスとはまさに調和そのものであり、それが自然界の本質であると言えます。もし、そのバランスが少しでも崩れた場合には自然界は自浄作用によって元に戻そうとします。これが浄化であり、自然界に備わった大切な機能であると考えています。これらすべてを含めたものが自然であると定義しています。

では自然界の本質である調和とは、釣り合いの取れた平均的な状態と捉えがちで、ある意味丸く収まるようなイメージです。しかしそうではなく、もっと躍動的な状態であると考えています。

それは「すべての生命が自身の表現や歓びを最大限に表すのと同時に、他を活かす状態」と定義しています。これは辞書や辞典には書かれていないことですが、自然界をよく観察すれば、すべての生きとし生けるものがそれを実践しています。

世の中で最も不自然なもの

さて、この最も基本的な理念から見えてくる、私たちが目指している理想の未来とは、常識的な価値観とはかけ離れたものに映るかもしれません。

それは物事を判断する基準として、徹底して「自然であるか、不自然であるか」「調和しているか、不調和であるか」で見ているからです。そうすると、世の中の多くの仕組みが間違った方向に進んでいることが分かります。

その中で最も不自然なものとは経済の仕組み、つまり貨幣や金融の仕組みそのものではないかと考えています。

自然界では、すべてのものがいつかは朽ちて変化し循環していきますが、お金というものは価値が減ることはなく増え続けています。しかも現代においては現金そのものではなく、ほとんどがコンピューター上の数字が膨れ上がっているだけに過ぎません。

お金が増え続けているということは、本来はそれに見合った物やサービスが一緒に増えていなければバランスが取れないはずです。もしお金の量に合わせて物が増え続けていった場合、やがて地球の資源はすべて枯渇して、社会が崩壊することになるでしょう。しかし、経済の世界では地球の資源が無限にあることを前提に動いています。

お金がなぜ増え続けなければいけないのかは、すべてが「負債」つまり借金することによって増える仕組みになっているからです。これを信用創造と言いますが、信用創造の説明はここでは省きますので、興味のある方はぜひ調べてみてください。

そのお金の仕組みがもっと自然の摂理に近いものであったら、一体どうなるでしょうか。きっと物の価値観が一変すると思います。

すべての物やサービスをお金の価値によって置き換えている現代人においては、イメージすら難しいかもしれません。いま住んでいる家や着ている服、食べている物の本来の価値はどのくらいでしょう?お金ではなく自然の価値観によって換算できるでしょうか?

とても難しいですね。しかも私たちの周りに溢れている物の多くは、前述のように必ず誰かの借金の返済のためにつくられているものであり、そのコストがすべて上乗せされています。大量生産されたものほど、その割合が高くなる可能性があります。

この仕組みがある限り、大量生産・大量消費は止められず、データ上のお金がどこまでも膨れ上がっていきます。これが自然の摂理に反して、どれほど異常なことか想像できるでしょうか?

自然の摂理にあった社会とは

前置きがだいぶ長くなりましたが、自然の摂理にあった経済や社会の仕組みになると、どのような世界になるのでしょうか。その移行させていく具体的な方法は、今回は紙面の都合上割愛させていただきます。

ここでは、自然との調和という基本的理念に照らし合わせて、私たちがどのような理想の未来を目指しているかをお伝えします。

一、本当に必要なものを必要なだけ生産して社会が成り立つこと。

一、経済格差がなくなり、誰もが平等で安全に暮らせる社会になること。

一、農業の位置づけが大きく変わり、 より安全で持続性のある農業が主流になる。職業というよりも生き方の表現として農業に関わる人が増えること。

一、より安全で永続的価値のある食べ物が生産され、必要なところに必要なだけ流通すること。

一、大量生産の必要がなくなり、企業の規模が縮小する。仕事は生きるためでなく楽しむものに近くなり、一週間の半分が仕事、半分は余暇になること。

一、すべての子供たちが平等に教育を受け、受験のための勉強ではなく個性に合った人間的な教育が可能になること。

一、国の機能が小さくシンプルになり、税金における国民の負担が軽減すること。

一、不必要な医療や薬が減り、必要最低限の医療が残っていくこと。

一、 エネルギー問題に関心が高まり、より安全性の高い環境負荷の少ないエネルギーが主流になること。

一、世界から貧困問題が解決され、難民問題などが激減すること。

一、紛争や戦争の原因となる資源の問題や宗教的・民族的な対立が解決すること。

一、大気・河川・海・大地の汚染問題が劇的に改善すること。

こうして挙げた内容を、夢物語のようだと思う方がいらっしゃるかもしれません。しかし、これは実現可能な未来だと考えています。

もちろんいくつもの法的なハードルを越えなくてはならないのは事実です。それよりも大切なことは、人類が「所有」するという概念から離れる必要があります。地球の資源は所有するものではなく共有するものであるという意識の転換が必要です。

私たちナチュラル・ハーモニーでは、自然栽培と天然菌による醗酵食品を中心として、人の生き方の提案を行ってきました。これからも変わらず、自然との調和という基本的理念を基に、皆さまに様々な提案を行っていければと考えています。

それでは、皆さまにとって新年が素晴らしい変化の年になることを、心よりお祈り申し上げます。


【参考資料】
『私が総理大臣ならこうする 日本と世界の新世紀ビジョン』 大西 つねき著 白順社
※信用創造を含め、経済の本質的問題を突いた名著だと思います。


大類 久隆
ナチュラル・ハーモニーの商品部担当。
とにかく何でも調べるのが大好きです。
自称、社内一の食品オタク。
食べることも忘れて日夜奮闘中……?


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